2023年11月12日日曜日

2023.11.12 月例観察会「土壌動物」

月例観察会「土壌動物」 2023.11.12(日)曇り小雨

子ども16名 大人23名   

講師:筑波大学大学院 本間伸太朗さん


「土の中を探してみよう。誰かいるかな?落ち葉をめくったり、地面を掘ったりして、生き物がいるかさがしてみよう。」

子どもチラシのこのような呼びかけに今回も沢山の方の応募がありました。

今回の講師は昨年度より本会の「里山体験プログラム」に参加の大学院生、本間伸太朗さんです。

将来は高校の生物の教師になりたいと勉強に励み、今秋その夢をかなえた自然好き、生き物好き、子ども好きの学生さんです。

専門は土壌動物でその面白さを伝えたいと自ら進んで月例観察会を担当してくれました。


今回の自然体験の柱は3つ「扉を開いて出会う」「探す」「深める」です。開会で自然の中で留意することを伝えた後、六兵衛坂のコナラの木の下へと移動です。

木の根元には大きな切株がいくつか転がっています。

「よっこらしょ」と、倒して切株の下の土や腐りかかった切り株に何かいるか観察です。

顔を近づけて目を凝らして観察すると、動くもの、じっとしているもの、色のある物、長い形、丸い形、体に足が沢山あるものなど色々な虫がいるではありませんか。

どれも普段目にすることのない小さな虫たちとの出会いの扉が開かれた瞬間です。

落ち葉の山もいつの間にか小さくなり、切株も朽ちていくのはこのような虫たちの働きがあるからと、話してくれました。

皆で観察して発見した生き物は、ダンゴムシ、コメツキムシ、ゲジゲジ、ムカデ、ワラジムシ、ミミズ、赤いアカイボトビムシ、ヤスデの仲間、ゴミムシ、クモ、シロハダヤスデ、白い菌糸と、実に多様です。



次は、実際自分で虫を探すために林に移動です。

沢山の物品を持ってゲンベイヤマへと上がります。ここは下草がきれいに手入れされた林でコウヤボウキが斜面一面に芽吹き、薄ピンクの可憐な花が優しく迎えてくれました。

講師から用具の使い方、虫の探し方や保存について説明の後、いよいよ「虫を探す」体験の始まりです。

積もった落ち葉をめくりながら落ち葉の下の土もシャベルで掘り、金ザルでふるいにかけてバットに落ちた虫を集めます。

林で探した虫たちはモリチャバネゴキブリ、ミミズ、フナムシ、マキバサシガメ、ムカデの仲間、ハネカクシ、白いクモ、アリツカムシなどでした。

落ち葉を生き物たちが食べて小さくなり、やがて土になっていく様子をフリップで説明して、実際に小さくなっていく葉っぱや黒い土の層を観察しました。

林の中にはキノコや白い菌糸などの菌類も葉っぱを分解する大切な役割を担っていること。

クイズでは、1㎝の土ができるのに何年かかる?1年か、10年か、100年か?

小さな虫たちの小さな働きが積もり積もって緑豊かな大地ができること、100年もかかって1㎝の土ができることなど驚きです。

また、自然界に生息しているダニのうち、危害を加えるダニはたった1%(主にマダニ類)とのことです。


最後に皆で探した虫たちを顕微鏡で観察して共有です。

頭や顔、手や足の形や数、体の形、土の中の虫たちの多様な形に驚きながら観察しました。

講師が事前に採取した珍しい土の中の虫、ササラダニの仲間やツチトビムシ、ヒメミミズを紹介してくれました。


今日の観察会は筑波大学の同級生や後輩、プログラム生、人間系のインターン学生、その他沢山の協力があり貴重な体験ができたこと、本間さんは達成感に包まれ感謝されました。

これから教師として大きく羽ばたかれることでしょう。



(さらに詳細は、会報にて)

文・写真:Tanoue

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