2024年5月25日土曜日

2024.05.25 土曜観察会

 くもり  参加者 3名

自然農田んぼ塾の水田の田植えが始まりました。大池は例年のようにヒシが水面を覆い始めています。そのヒシもジュンサイハムシの食害が始まっています。里山では、野鳥の子育てが始まっていて、エサ運びをしたり、巣立ち雛を連れて移動していたりと目立たないように静かです。くちばしの短いカワセミの巣立ち雛を見ることができました。ホトトギスが戻ってきていて、里山の上を鳴きながら飛び回っていました。クロアゲハ、アサマイチモンジ、ハラビロトンボなど色々な昆虫も姿を見せ始めて賑やかになってきました。アブに擬態したヒメトラハナムグリを初めて見ました。

クチバシがまだ短いカワセミの巣立ち雛

ハラビロトンボのオス

アブに擬態したヒメトラハナムグリ

ノアザミの蜜を吸いに来たヒメクロホウジャク

【観察した野鳥】キジ、カルガモ、カイツブリ、キジバト、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、ホトトギス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、オオヨシキリ、ムクドリ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ、ホオジロ 21種+コジュケイ、ガビチョウ

2024年5月20日月曜日

2024.5.12 月例観察会「田んぼ」

 5月 月例観察会「田んぼ」 2024.5.12(日) 晴れ

講師:農研機構 嶺田拓也さん

水をはった田んぼは周囲の景色を写して輝きとても美しい季節です。

しかし古代から続けられてきた田んぼは危機(クライシス)を迎えていると、講師の嶺田先生からお話がありました。

今では田んぼの耕作面積は1960年代と比べると霞ケ浦の4.4個分が消失、農業従事者はピーク時の80%減少、米の一人当たり年間消費量は1960年代の約半分の51㎏、米を作っても安い、農業の後継者不足等で日本の田んぼは減り続け自然環境や生き物の環境が大きく変化してます。

今後、これまで見慣れた田んぼが消えてしまうかも知れないとの危機的なお話です。

では宍塚の里地・里山にはどのような田んぼがあるのか、生き物はいるのか、水田の水は何処から来ているのか等、観察しながら歩きました。


里地の田んぼは米作りだけではありません。

レンコンの田んぼ、四角の田んぼや不整形な田んぼ、田植えが終わったばかりの田んぼ、耕作をやめてしまったのかなと思われる田んぼ、何十年も耕作放棄された田んぼ、一面太陽光パネルで覆われ姿を変えた田んぼ等、田んぼの姿は実に多様で次第に減ってしまいそうな風景でした。

水は地下水をくみ上げたり、里山からの水が用水路を通って来ていたり、桜川の水が用水路から送られていたりしています。

田んぼから一段低い排水路も無くてはなりません。

さて、田植えが終わった田んぼではどんな生き物がいるのでしょうか。

ネットや観察カップですくって手に取って観察しました。

ジャンボなオオタニシ、ヒメタニシ、サカマキガイ、希にヤゴ、無数の動物プランクトン、ミミズ、ミズクモ、小さな甲虫、アマガエル、日常では見られなくなった生き物が沢山生息していました。最も多かったのは動物プランクトに次いで貝類でした。

次は里山から流れ下る用水路の上の道路を歩きながら里山へと移動しました。

里山の景色は新緑に覆われ緑一色です。

シュレーゲルアオガエルが甲高い声で盛んに鳴いています。

代かきを終えた不整形な「田んぼの学校」の田んぼ、その奥には広い休耕田もあり、暫くはそこで自由に生き物探しをしました。

小型のヌマガエル、アマガエル、ニホンアカガエル、クビキリギリス、シュレーゲルアオガエル、ツチイナゴ等、子どもたちはカエル追いかけ捕まえるのに夢中でした。最も個体数が多いのはヌマガエルでした。

生き物の観察の次は山あいの谷津田に向かって小川沿いを歩くと「自然農田んぼ塾」で田植えの準備が行われていました。

この田んぼは無農薬、無施肥、無起耕の田んぼで、全行程機械を使わない稲作りが多くのボランティアの手によって続けられています。

生き物にやさしい田んぼ作りで、この春産卵孵化した絶滅危惧種のニホンアカガエルのオタマジャクシを沢山見ることができました。

この谷津田は1960年代耕作放棄されヨシやらヤナギ等が繁茂して人が入れない状態でしたが、サシバの里山目指してボランティアが開拓して蘇らせたのです。

ゴールの大池目指して土手を上がると、開けた清々しい景色、ヒシが湖面を覆い始めています。

この大池の水が谷津田の田んぼを潤し、里地へと繋がって米作りに役立てられているのです。

その先は、備前川に流入し霞ケ浦の湖水の水源ともなっています。


今日は宍塚の里地、里山の田んぼを観察しながら減少しつつある田んぼや、一方でボランティアによる手作りの田んぼまで人々の営みがありました。

弥生時代から始まった日本の米作り、今では田んぼの危機と生き物の危機を目と身体で感じ、これらの危機を止めるための一歩を考える貴重な機会となりました。

今日は田んぼについて学ぶことの多い観察会でした。

お忙しい中、ご指導頂き誠にありがとうございました。


文・写真:Tanoue

2024年5月18日土曜日

2024.05.18 土曜観察会

晴れ 参加者6名

 里地の蓮田(はすだ)では、チュウサギやバンに出会いました。

  


 里山に入ると、田んぼの学校の生徒さんたちが、代掻き(しろかき)。裸足の子どももいて、楽しそう。お手伝いをしていたOさんが、アゲハモドキの幼虫がいるというので、早速、見に行ってみました。

 オニグルミの葉には、蝋状物質(ろうじょうぶっしつ)に覆われた幼虫がいました。中には、クサカゲロウの幼虫に捕捉されているものもいました。

  

 残念ながら、腹足が7対あり、ハバチの幼虫で、オニグルミを食草とするクルミマルハバチの幼虫でした。持ち帰ったSさんが、家でみると、蝋状物質が取れていたそうです。

 アゲハモドキは、宍塚(ししつか)では見たことがないのですが、ミズキやヤマボウシが食草となるようなので、今度、覗いて(のぞいて)見ましょう。

 オニグルミには、バイバラシロシャチホコの奇妙な形をした幼虫もついていました。


 クワにも、蝋状物質をだしている虫がいるということなので、見てみると、こちは、クワキジラミの幼虫でした。


 大池では、ヒシの上を飛ぶオオイトトンボを見かけましたが、遠く、早くて写真は無理でした。イボタノキやガマズミの花にコミスジやイチモンジチョウが来ていました。

 会の森のサワフタギでは、シロシタホタルガの繭を見つけました。ここは、ノアザミ(オオハナアブ)やコウゾリナが咲いて、いいですね。

  

 栗崎遺跡(くりさきいせき)あたりでは、先週見たレンリソウが見当たりませんでした。コナラで見たオオチャタテの幼虫は、翅(はね)が生えて、成虫になっていました。

 ガビチョウがうるさく鳴くなか、アオゲラっぽい声は、本当だったのでしょうか。鎌倉街道沿いで、キビタキの綺麗(きれい)な声を聞くことができて、ほっとしました。

By yamasanae

※ 常用漢字以外は、ふりがなを( )書きしてみました。



【野鳥】カルガモ、キジバト、カワウ、アオサギ、チュウサギ、バン、サシバ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ツバメ、ウグイス、エナガ、メジロ、オオヨシキリ、ムクドリ、キビタキ、スズメ、セグロセキレイ、ホオジロ 21種+コジュケイ、ガビチョウ

【チョウ類】ダイミョウセセリ、ジャコウアゲハ、アオスジアゲハ、アゲハ、オナガアゲハ、モンシロチョウ、キタキチョウ、モンキチョウ、ツマグロヒョウモン、コミスジ、イチモンジチョウ、ゴマダラチョウ、アカボシゴマダラ(春型、幼虫)、コムラサキ、ヒメウラナミジャノメ、コジャノメ、サトキマダラヒカゲ 17種

【ガ類】キスジホソマダラ、シロシタホタルガ(繭)、トビイロシマメイガ、マエキカギバ、ウスタビガ(幼虫・死骸)、バイバラシロシャチホコ(幼虫)、トビイロトラガ、オスグロトモエ 8種

【チャタテムシ目】オオチャタテ、【カメムシ目】クワキジラミ、シマサシガメ、クヌギカメムシ、【アミメカゲロウ目】ヤマトクサカゲロウ、【ハエ目】オオハナアブ、【コウチュウ目】トホシテントウ、ナミテントウ、【ハチ目】クルミマルハバチ、クロムネハバチ

2024年5月11日土曜日

2024.05.11 土曜観察会

 晴れ 参加者5名


5月半ばというのに夏日の予報だったので、水を多めに持って出発しました。

里山の竹林は、筍に栄養を取られたのか黄葉していて竹の秋です。

サシバは林の上の高いところを帆翔していて近くでは見られません。

林の中では今年もキビタキのさえずりが聞こえていました。先週、久しぶりに聞かれたハルゼミの声は聞こえませんでした。

木の幹に黒いシミのようなものがあったのでよく見るとオオチャタテの群れでした。


ノアザミの花にダイミョウセセリがとまっていました。


ヤブヘビイチゴの赤い実は美味しそうですが、見掛け倒しで味がしません。

レンリソウの紫の花が咲いていました。

【観察した野鳥】
キジ、カルガモ、カイツブリ、キジバト、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、コチドリ、サシバ、コゲラ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、オオヨシキリ、セッカ、ムクドリ、キビタキ、スズメ、セグロセキレイ、カワラヒワ、ホオジロ 27種+コジュケイ、ガビチョウ

2024年5月4日土曜日

2024.05.04 土曜観察会

晴れ 参加者6名

 五月晴れのなか、新緑の里山を歩きました。

 里地を歩いていると、木の上に、ヒレンジャクの赤い尾が見えました。すぐそばの電線に止まってくれ、今年も会うことができました。3羽でしたが、渡りの途中ですね。


 今日は、色々なトンボに会うことができました。サラサヤンマは、♂と♀。



 シオヤトンボは、未成熟♂でした。


 水槽で、羽化していたのは、シオカラトンボ♀。この回りでは、ショウジョウトンボ、アジアイトトンボも見ることができました。

 チョウもいろいろ。カラスアゲハ、ジャコウアゲハなどを確認できたのですが、なんとか撮れたのは、ダイミョウセセリ、ヒメウラナミジャノメ。
  

 エノキでは、アカボシゴマダラ幼虫、サワフタギでは、シロシタホタルガの幼虫も見つけました。このほか、ルリタテハやクワゴマダラヒトリの幼虫も見かけました。
  

 花は、ツボスミレ、ホウチャクソウなど。
  

 久しぶりに、ハルゼミの声も聞くことができました。最後に、サシバがまた出てくれて、お見送りでした。
By yamasanae


【野鳥】・・きたきつねさん
カルガモ、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、サシバ、カワセミ、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒバリ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、オオヨシキリ、セッカ、ヒレンジャク(3)、ムクドリ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ホオジロ 26種+コジュケイ、ガビチョウ

  
チュウサギ          メジロの巣
【チョウ類】・・Saさん
ダイミョウセセリ、コチャバネセセリ、ジャコウアゲハ、アオスジアゲハ、アゲハ、ナガサキアゲハ、カラスアゲハ、モンシロチョウ、キタキチョウ、ムラサキシジミ、ヤマトシジミ、ツバメシジミ、テングチョウ、キタテハ、ルリタテハ(幼虫)、コミスジ、アカボシゴマダラ(幼虫)、ヒメウラナミジャノメ、コジャノメ、クロコノマチョウ

【ガ類】・・Saさん
クワゴマダラヒトリ(幼虫)、トガリエダシャク、シロシタホタルガ(幼虫)、オオシマカラスヨトウ(幼虫)、モンキキナミシャク(幼虫+ダニ)
写真:Saさん

【トンボ目】
アジアイトトンボ、サラサヤンマ(♂、♀)、ショウジョウトンボ(♂、♀)、シオカラトンボ(♀、羽化♀)、シオヤトンボ(未成熟♂)

【コウチュウ目】
オオヒラタシデムシ、クロハナムグリ、コアオハナムグリ、モモブトカミキリモドキ、
ソボリンゴカミキリリンゴカミキリ(Kuroさんから指摘)、ハナカミキリ類、ジョウカイボン類

写真:Saさん

【カメムシ目】ヒモワタカイガラムシ、ホシハラビロヘリカメムシ

【キノコ】・・不明(オオツルタケ?)