2021年7月4日日曜日

7/4 月例テーマ観察会「きのこ」

 月例テーマ観察会「きのこ」は、保坂健太郎さん(国立科学博物館 植物研究部 研究主幹が講師をして下さり、子ども14名・大人19名の参加となりました。

当日は雨の予報でしたが先生のご厚意で予定通り開催、雨にも拘わらず沢山の親子にご参加いただきました。


新型コロナ対策をとって、山での諸注意のあと、コナラやクヌギの林に移動しました。

採取の前に先生からスコップと熊手を使って採取方法について説明がありました。その後、袋を持って思い思いの方向に散って採取の始まりです。


5分もしない内に両手で抱えるほどの大型のキノコや赤い傘に真っ白い柄をした美しいキノコなど次々集まりました。

約30分が経過したころには2台のテーブルに集まったキノコは、先生の目から見てざっと30~40種とのことです。

色や形も様々な沢山のキノコを前に子供たちは興奮気味で、知っているキノコを指さしてはおしゃべりが続きます。


いよいよ先生から特徴のあるキノコの解説がありました。

大人の両手位の大きさ程もある日本一大きな「ムレオオイチョウタケ」。このキノコは独特の匂いを持っており、皆で嗅いでみました。何と雑巾の生乾きの匂い、ムレた匂いから名付けられたのです。

次は傘の内側のひだを木切れで傷を付けると白い汁(乳液)がシミ出たのです。乳汁が出ることから「チチタケ」になりました。

名前の言われからキノコを見ることも面白いです。

キノコは一般的に傘の下はひだ状ですがスポンジ状のものもあり、イグチといい、傘を半分に割ると黄色からみるみる青色に変色しました。

約30人弱の子供たちと集めたキノコの種類の多さ、名前の由来や食べられないキノコ、変色するキノコまでその奥深さに驚きました。



次はもう一か所の調査地点、大池に面した小高いゲンベイ山の麓です。

ここではコナラの林と違ったキノコがたくさん集まりました。

今回の採取で最も大きく柄が太く存在感のあるのはイグチの仲間の「アカヤマドリ」です。人間にとって食用であるだけでなく、アリもキノコを食べに沢山集まっています。

同じイグチの仲間の「ムラサキヤマドリタケ」。どちらも高級キノコとして知られるポルチーニの仲間なので採取に来る人もいます。

  

 キノコは落ち葉や倒木の分解者、そこからふかふかの土ができ、大地に根を張った様々な樹木と共生関係を持ってお互いに支えあって生きています。

緑豊かな元気な森は落ち葉や土の中の菌類の働きにより支えられています。

森づくりに貢献している多様なキノコを教えていただき、それにまつわる楽しいお話に終わりはありませんでした。

そして出された沢山の質問にも丁寧に教えていただきました。心より感謝申し上げます。

(文・写真:Tanoue)


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