2026年5月3日日曜日

闇の中で声の主を探せ 5月の月例観察会「カエル」

2026年5月3日

講師:吉川夏彦さん(国立科学博物館)・松島野枝さん(国立環境研究所)

参加者:子ども13名・大人14名 スタッフ:大人7名・子ども2名

 田んぼに水が入り、カエルたちの動きが活発になる季節です。基本的にカエルは夜行性ですので、観察会は午後6時半から始まりました。

 暗くなると、ふれあい農園のまわりの田んぼから「ケレレレレ…」というシュレーゲルアオガエルと「ゲッゲッゲツ…」というニホンアマガエルの鳴き声が聞こえてきます。

 カエルが鳴くのは繁殖のためで、鳴くのはオスのみです。シュレーゲルアオガエルとヒガシニホンアマガエルのオスはのどに1つの袋(鳴嚢)があり、その部分が黒っぽく見えます。メスののどは白いです。ヌマガエルは袋が両脇にあり、鳴いているときはハートを逆にしたような形になります。

 水草保全のための大きな水溜めタライの縁でヒガシニホンアマガエルがずっと鳴いているのでみんなでその様子を観察しました。喉が丸く大きく膨らむ時は体が細くなり、喉が凹むと体が丸く大きく膨らみます。体の中で空気を行ったり来たりさせているそうです。

 
鳴くヒガシニホンアマガエル    鳴くシュレーゲルアオガエル

 宍塚周辺のカエルの産卵は2月のヒガシニホンアカガエルから始まり、2~3月にアズマヒキガエル、3~5月にヒガシニホンアマガエルとシュレーゲルアオガエル、5~6月にヌマガエルと続きます。今日はシュレーゲルアオガエルの泡状の卵塊が見られました。中には白くて丸い卵が入っています。この泡のおかげで、シュレーゲルアオガエルの卵は水から出た状態でもしばし耐えられるそうです。

 
あちこちカエルさがし

 捕まえたカエルをケースに入れて観察したり、水辺で鳴いている姿を観察したりした後、講師2人にカエルについての解説をしていただきました。

「カエルは瞼があるか?」休んでいる時には眼を閉じているように見えますが、瞼はなく、眼を引っ込めて頭蓋骨の中に収めているそうです。

「カエルの指の数は?」前4本、後5本。「四六のガマ」が後肢の指が6本なのは、指ではなく土を掘るための瘤だそうです。

 
カエルの指を数えよう      苗代の名赤を覗く人たち

「カエルに歯はあるか?」歯はほぼなく、上顎に獲物をひっかけて丸のみするそうです。

「体の色を変えられる?」体の色の変え方は種によって違っていて、ヒガシニホンアマガエルは緑~茶色に変えることができ、シュレーゲルアオガエルは緑の明るさを変えられるのだそうです。

 観察会の終わりまで水溜めタライの縁にいたヒガシニホンアマガエルはずっととどまって鳴く姿を見せてくれました。お話によれば大きな個体で、このような1等地に陣取っているのは強い証拠だろうとのことでした。カエルは姿を見ると捕まえたい衝動が湧きがちですが、それをぐっと抑えて鳴いているそばでそっと照らして姿と声を観察するのもとても楽しいですよ。

By Nakaさん(五斗蒔6月号から)

   



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