月例観察会「ハチ」2023.9.3(晴れ)
参加者:子ども14人 大人22人
講師:ミュージアムパーク茨城県自然博物館 久松正樹さん
久松先生は今年3月、栄小学校長を退職され、4月より古巣のミュージアムパーク自然博物館に戻られ仕事に就いておられます。
昆虫相の調査や「昆虫展」を企画し、中でもハチの生態研究は第一人者です。
今日は天候に恵まれ朝から猛暑に近い暑さですがハチたちはいるのでしょうか。
早速先生が情報館の近くで採集したというハチ3種(ヒメハラナガツチバチ、オオハラナガツチバチ、カタグロチビドロバチ)を出発前に見せてくれました。
また、雄と雌の体の違いや、雌の腹部の先端の棘はメスだけについており産卵管が変化したものである説明を聞きました。
次は、里山に仕掛けたトラップの回収です。
大池の入り口の看板の柱、大池側のクズの草に囲まれた鉄柵、大池土手の木製の手すりの下部、果樹園の看板の脚、最後は作業小屋の屋根の下、様々な所から回収しました。
いよいよ集めたトラップの巣の観察です。
クルミの木の下にブルーシートを敷いて並べ、先生は頑丈な剪定バサミを使って、竹の筒の巣を痛めないように割っていきました。
中から出てきたのは整然と並んだ小部屋、細かい土の粒子で仕切っています。
精巧につくられた土壁の中ではオオフタドロバチが卵を産んでは蛾の幼虫を運び入れ壁で仕切り子孫を残す様子が一目で観察でき、ハチの生活史が手に取るように分かりました。
小部屋では幼虫が大きく育ち前蛹状態で、時々ピクピク動くものもいました。
また、すでに黒い蛹状態も観察できました。
ハチは身近にある草の葉、土を材料として巣を作り子孫を残しており、その素晴らしい能力に驚かされました。
ヌマハギの茎に付いた1センチ程の小さなムモントックリバチの巣、ゴルフボール大より大きい鈴の形をしたスズバチの巣、皿型のヒメスズメバチの巣も大変めずらしく、ハチの巣は多様性に富んでいました。
今日は、普段見られない巣作りの過程や、ハチによって巣の材料や巣の形の違い等、手に取って観察し、小さな子供たちも最後まで飽きる事無く楽しい学習ができました。
猛暑の中、私たちの為に何度も里山に足を運んで準備して下さった先生に心より感謝申し上げます。
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