2023.7.2(日)月例観察会「キノコ」
参加者:こども18名 大人22名
講師:国立科学博物館 保坂健太郎さん
朝から30℃を超える真夏日、今年は雨も多くキノコ観察には絶好の天候でした。
先生は日本ばかりではなく世界中のキノコを調査しておられる研究者で、図鑑も沢山出版されています。春夏秋冬、どこに行ってもキノコが生えない季節は無く、真冬の寒い季節でも少なくても20種は確認したとのことです。
そんな身近なキノコ、里山にはどんなキノコが生えているのか皆興味津々、里山へと移動しました。
余りの暑さに六兵衛坂のコナラの木陰でひと息つきながら、キノコの採取の方法について実演です。
大型の約30㎝の長い専用ナイフ(根掘り)を使ってナイフを当て、土の中までしっかり刺して根元の部分から丁寧に掘り出し、土を払い、キノコの全体像をよく観察します。
草刈りが行われた清々しいキャンエコの森には、多い時でバスケット一杯のキノコがあるそうです。
世界中の図鑑にも掲載されていないキノコが見つかる場合もあり、食べられるか食べられないかも分からないものも大変多いとの事です。
新種の発見につながるか、ワクワクしながら、林の方々に散らばって、約30分間キノコを探しました。
シートの上に集まったキノコはざっと約30種。先生は食用を「E」、毒は「P」、不明は「U」に分けてキノコの特徴を説明してくれました。
カレバキツネタケ「E」、柄が太くてカサのヒダが粗く白色の胞子を出す。
このキノコは中国の店で山盛り販売していた思い出のキノコとのことです。
アセタケ「P」、傘の中央がでっぱり、茶色い胞子を出す。
これを食べると動悸が激しく冷や汗が出る、また汗のにおいがするからアセタケとも言われる。
キノコを観察する時のポイントは、①キノコの全体を見る。②カサの下のヒダの色、③何の上に生えているか、④カサをちぎると乳液が出るか、色は何色か、⑤カサの下のヒダの付き方、⑥ツバがあるか、ツボがあるか等、確かめるのが基本です。
最後はゲンベー山でキノコ採取、キャンエコの林と違って大型のキノコが沢山ありました。
ヒダが垂れさがるように柄に付くアンズタケ「E」。
まだカサが開かない白い卵型のコテングダケモドキ「P」。
雑木林の木陰でひっそりと生きるキノコたち。
キノコは土の中で生き物の多様性を維持する上で重要な役割を果たしていると言われ、その種類の多さに驚くばかりです。
この里山全体でどのようなキノコがあるのか知りたいと思いました。
参加した子どもたちは暑さも忘れ、夢中でキノコを探したり、図鑑を片手に調べたりしながらとても充実した観察会になりました。
今日、先生は東京での仕事を控えておられご多忙でしたが都合を付けて観察会に来て下さいました。心より感謝申し上げます。
文・写真:Tanoue
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