講師:国立科学博物館 奥村賢一さん
林の土を観察しよう、土の中にはどんな生き物がいるのか、またその役割は何なのかを学ぶために奥村賢一先生にご指導を頂きました。
今回の観察場所はコンちゃんの森です。
コンちゃんの森はさわやか隊や大学生や中学生による森林管理が長年続けられ、生物多様性が維持された理想的な里山環境です。
地面は何年も積もった落ち葉でできた土の層は柔らかくスポンジのようにふかふかです。
しかも葉を落としたコナラやクヌギの小枝を通して差し込む太陽の光が眩しく、子どもたちが活動するにはとても快適な里山環境でした。
まず始めに先生から土壌生物の採取をする上での注意点として安全のための手袋、次に採取の用具の説明がありました。
土掘りに便利なプラスチックのシャベルは100円ショップで、採取した動物を入れるのはマヨネーズの空き容器の上部を切った物など紹介がありました。
また、捕まえた小動物を顕微鏡やルーペでしっかり観察するために必要なものとして二酸化炭素のスプレー、土壌生物を一時的に眠らせるのです。
家族ごと必要な用具を持って土の中の生き物探しの始まりです。シャベルで土を掘り、フルイに入れてはバットの中に落ちた生き物を目を凝らして探し出します。
視力がいい子供たちは見つけるのがとても速く見つけた動物を手でつまんだり、吸虫管で吸い取り観察カップに入れて体の形を観察したりしました。
更に詳しく見たい時は先生に二酸化炭素をかけてもらい眠らせ実態顕微鏡に乗せて観察しました。
小さな生き物の扱い、顕微鏡の操作、手つきはとても慣れた様子で将来の動物博士かなと思うほどです。
また土の層ばかりではなく朽ちた倒木の皮をめくったり、ひっくり返したりして多様な生き物の採取に挑戦しました。
落ち葉のマットはどこも水分を含んで生き物たちの心地よい住み家です。小さなミミズやアリ、クモ、陸生の貝類、甲虫などいろいろな生き物が採取できました。
林はここで暮らす生き物に住み家を与えるまさに小宇宙です。
普段目にしない生き物たちの観察はとても楽しく2時間がアッという間に過ぎました。
先生新情報の2007年宍塚で発見された新種のクモ、ヒタチヤマヤチグモの発見が期待されましたが今回は残念ながら採取できませんでした。
今回観察できた土壌生物は小型のムカデ、ハサミムシの仲間、クモ類、ミミズ、アリ、カタツムリの幼貝、コクワガタ、キセルガイの仲間、ザトウムシ、ゲジ等、形や色もとても多様でした。
これらの生き物が林の土の中の分解者という事を学びました。
今日は天候にも恵まれ彩豊かな晩秋を体いっぱいに感じながらののどかな観察会となりました。
先生には事前に下見をして下さり本番に備えて頂くなど大変お世話になり心より感謝申し上げます。
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