月例観察会「実とタネ」2024.11.10(曇)
参加者:子ども10名 大人22名
講師:多田多恵子さん
植物は動けないため生きるための工夫や戦略があります。
自然の中でどのように生きようとしているのか、どのような仕組みが備わっているのか、実とタネをよく観察しながら、その不思議を見つけようとお話しがありました。
今日は六兵衛坂から、大池に寄って、最後はクルミの木の下までのルート、種や実の形や色をよく観察しながら採集します。
最後に、採集した実やタネがどのような力を借りて子孫を残そうとしているのか分類することがテーマです。
里山の草花は少しずつ赤や黄色に色付き、もう少しで冬を迎える準備。
里山は種や実であふれています。
先生から実とタネをタブレットで拡大して詳しく解説を頂きました。
里山で一番目立つ赤や黄色に色づいたカラスウリ。ホップ状に実が大きくなったカナムグラ。
茶色の小さな実の真ん中に箸を2~3本立てたような変わった形のウツギの実。
乾燥した実が放射状に開いたコセンダングサ。
小さな黒い実を束ねたイヌホオズキ。
昔懐かしい白や黒、茶色のジュズダマの実。
葉が散ったヤマハギの細い枝には5㎜ほどの平たい実。
サンショウの木に絡まったアオツヅラフジの青い実。
草むらに覆いかぶさった葉をめくると茎に茶色のムカゴの実が鈴なりのヤマノイモ。
まるい胞子嚢で覆われたフユノハナワラビ。
紫色の実がきれいなムラサキシキブ。
緑や黒のヤブランの実。
乾いた茎についた小さな実はいつの間にか服にくっついてなかなか剥がれないイノコズチの実。
引っ付き虫を拡大するとカギ状の毛が密集していたキンミズヒキの実。
見上げる程の高く伸びたツルマサキの枝先にぶら下がった紫の大きなアケビの実。
地面に落下した大きなフジの実。
道端に転がった沢山のコナラやクヌギの実。
草むらでは房状に実を沢山つけたヤブマオ。
楽しい観察はどんどん続き、大池に着くと樹木の陰から「ジャッ・ジャッ」とウグイスの鳴き声。
大池は一面覆っていたヒシが枯れ数羽のカモが飛来して晩秋の風景です。
池に沈んだヒシの茎を持ち上げて実を捜しましたが茎が切れて採取できません。
用水路に流れ出たヒシの実をやっと見つけました。
黒く鋭い棘のついた実をじっくり観察、水鳥の羽にくっついて運ばれ日本中のため池に広がっていることに驚きました。
果樹園では香りがよいカラタチの黄色い実やボケの大きな実。
茶色の実を房状につけたヌルデ。
花の後に花茎が高く立ち上がったセイヨウタンポポ。
茎いっぱいにトゲの実で覆われたチカラシバやチヂミザサ。
オニグルミの木の下では落下した実が半分乾燥したものや種が出た実を拾いました。
道すがら数えきれないほどの沢山の実やタネの特徴を観察しながら特徴を教えて頂きました。
最後に集めた実やタネを、「風で運ばれる」「人や動物に付いて運ばれる」「鳥が食べてウンチを出して運ばれる」「動物が食べて運ぶ」「その他」に分類して、実が何に力を借りて運ばれるのかを考えました。
草や木の実とタネの不思議、またその大きな力に気付かされ感動しました。
最後に、カラスウリの実を切って種を取り出すとカマキリの頭のようなタネが出てきて、次はアオツヅラフジの実からはアンモナイトそっくりのタネ、ヤブランの実からは白いスーパーボールが出てきて、それを机にポーンと弾ませてくれ、驚いたり感動したりでした。
多田先生は、「NHK道草さんぽ」の講師、「子ども科学電話相談」の講師もされ、「実とタネ」の図書を沢山出版されており、今日は自然の中で実践的に実とタネの生きる戦略を紹介して頂きました。
その不思議で大きな力について学びとても楽しい時間でした。
今日は朝早くから東京からおいで頂き予定時間を超えてご指導いただき心より感謝申し上げます。
文・写真:Tanoue
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