2023年5月14日日曜日

2023.5.14「田んぼ」月例観察会

参加者は子ども13人、大人11人、スタッフ4人。

講師は嶺田拓也さん。田んぼの学校の校長先生です。


今回は近くの蓮田から観察がはじまりました。

この田のヘリにはパイプが並び立っています。

地下水をポンプで水をくみ上げている田んぼです。

何を育る田かな?先生の質問に、子どもたちはレンコンとちゃんと答えました。

水面の半分くらい小さな緑色の草がびっしり浮いています。

すくいあげると葉の裏の赤いウキクサ、葉の裏表とも緑で根が1本のアオウキクサ、この2種類はサトイモに近く、小さな花をさかせるそうです。


もう一種類のオオアカウキクサは。

空中の窒素を固定させ、田を肥やすんだそうです。

道路を渡ったところの水田では、水路の水面の高さから水を入れる水路か、排水路かをみわけたり、何条の田植え機を使ったのか、苗の列をみて考えたりしました。


さらに少し進んだ水田のわきで、水の中の生き物を観察しました。

よく見ると、水面を走るアメンボや小さな蜘蛛の子、水の中のオタマジャクシ、貝、貝の卵、ゲンゴロウなどが見えてきます。

観察カップで水をすくうと、もっと小さな生き物が動いているのが見えました。

何種類かのミジンコです。小さなヤゴを捕まえた子もいます。


2枚の田んぼの間が溝でつながる田もあります。田越し灌漑というのだそうです。以前は水不足のとき、水を奪い合う争いがおこったそうですが、今は争いはなくなりました。

その理由を確かめるために、フェンスで囲まれた用水路を見学しました。

今は、霞ヶ浦の水がくみ上げられて、広い地域に運ばれているのです。

田んぼで余った水は、また霞ヶ浦に戻り、太平洋までいき、蒸発したものが雨となりーーー。

水の循環について学ぶことができました。


その後、急いで宍塚の里山へ向かいました。

里山の中では子ども田んぼの一部と、となりの休耕田に入って、生き物捜しをしました。

ヌマガエルやニホンアマガエルがいて、子どもたちはカエルとりに夢中でした。

子ども田んぼの水の出口、入り口を確認し、水路をさかのぼって歩きました。

そして、大池の下の水路の分岐点も確かめました。

子ども田んぼへの水路は山沿いをめぐります。


土地の高低差をみて、少しずつ低くなって目的の田まで水がいきつくようにするのには、直線ではない、長い水路が必要だったのです。

最後に宍塚大池で、池から水路に水を流す取り入れ口も確認しました。


池の堤防でまとめをしました。

稲以外の作物も作られること、雨をためて洪水を防ぐ、生き物をはぐくむなど、田んぼがたくさんの役割を果たしていることを学びました。

どの子も集中して観察し、先生の質問にも答えながら、元気いっぱい、かなりの距離を最後まで歩きとおし、アオサギからミジンコまでいろいろな生き物にも出会えた、充実した観察会となりました。


文:Abe、写真:Nishikawa


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