月例観察会「春の草花」2024.4.14
参加者:子ども15人 大人12人
講師:茨城県環境科学センター 小幡和男さん
里山では草花が一斉に咲き始め、木々は芽吹き、見上げる空にはサシバが舞い、まさに山笑うがごとくの季節です。
小幡先生の今日の観察会のテーマは「違いを見つけよう」です。
植物の仲間には似たものが沢山ありますが、よく観察すると全く違った個性を持っており、対比させての説明はわかりやすくとても興味を惹かれました。
空に向かって真っすぐ伸びるスイバには、雄と雌の株があり、雌の株は赤い星のような雌花を茎一面に付けています。
雄株は緑色で花粉を付けた小さな花は今にも花粉を飛ばしそうです。
「スイバの茎を噛んでみよう!」と、名前の通り酸っぱい味が口に広がりました。
春を一番に告げるピンクのホトケノザ、なぜホトケなのか、葉をよく見ると仏様が座る台座(蓮華座)のような形です。
しかし、春の七草の「ホトケノザ」は黄色の花で、ピンクのホトケノザは本当の春の七草ではないのです。
次は動物の名前が付く植物、カラスノエンドウ、もう一つはスズメノエンドウ、マメ科のこの二種をよ~く見比べてみました。
花が付く位置、花の大きさ、鞘の大きさ、実の数、どれも同じものは無く、先生の解説で大きな違いに気付かされました。
里山の入り口の土手一面に芽吹いたばかりのヤブカンゾウ、
柔らかい茎に指を差し入れて折って味わいました。
白い茎は癖がなく甘くておいしい味です。
さっと茹でてお浸しが最高のご馳走です。
山菜採りには原則があり、全体の10%に抑えることが生き物保全のルールなのだそうです。
ここでも動物の名前、オオバコ科のオオイヌノフグリとタチイヌノフグリです。
よく観察すると姿、形は全く違っています。
長く伸びた花柄の先に咲くオオイヌノフグリの青い花びら、4枚の内、左右は同じ大きさで同じ色、上は色が濃く一番大きな花びら、下が一番小さく白い花びらです。
タチイヌノフグリの花は茎に直接ついている。
オオイヌノフグリの2本のおしべは互いに向き合ってその真ん中に小さなめしべが見えます。
花弁の青い筋は昆虫に蜜のありかを知らせる構造です。
ルーペを使っての大発見です。
田んぼしか咲かないツボスミレ、葉の付けの小さな細長い2枚の托葉にはギザギザがないのが特徴です。
この里山にはタチツボスミレ、ニオイタチツボスミレもあり、この2種は托葉がギザギザなのが特徴です。
本物のホトケノザを探しに田んぼに向かいました。
黄色の花びら(実は花びらに見える1枚1枚が本当は花)が8枚、葉は放射線状に広がり、まさに仏様を乗せる台座のようで名前の通りの春の七草の一つを見ることができました。
正式名称はコニタビラコでヤブタビラコとオニタビラコの違いも観察しました。
長い糸を垂らした性転換するウラシマソウの雌株と雄株、コハコベとウシハコベのめしべの柱頭の数、スギナとつくしの関係、アオキの雄株と雌株の花の違い、最後にソメイヨシノとヤマザクラ、がくと花柄の違い等、盛りだくさん教えて頂きました。
ルーペを持って草花に顔を近づけ熱心に観察される先生の姿は、まさに牧野富太郎博士のようで2時間ではとても足りない観察会でした。
丁寧に、熱心にご指導頂き誠にありがとうございました。
文・写真:Tanoue
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