2024年1月7日日曜日

2024.1.7 月例観察会「冬の野鳥」

 月例観察会「冬の野鳥」2024.1.7(晴れ)

参加者:子ども16人 大人23人       

講師:日本野鳥の会茨城県 内田初江さん


見上げる空は青く澄み野鳥観察には絶好の日和です。今

日の講師は県内の各地はもちろん宍塚の里山で野鳥観察を続けておられる内田初江先生です。

開会の後、双眼鏡の扱い方の指導と、野鳥の大きさを推測するモノサシドリについての説明がありました。

カラス(約60㎝)、キジバト(32㎝)、ヒヨドリ(28㎝)、スズメ(約15㎝)の4種を基準にして見つけた野鳥の大きさを推測できます。

その時、参加者の一人が向こうに「フクロウ」がいると遠方の畑の落葉樹の大木を指さして教えてくれました。

枝の中でじっとこちらを向いて様子を伺っている大型の鳥に視線が向かいました。

先生の望遠鏡確認したところ、腹部が白く「ノスリ」との事です。野原でお腹をするように飛ぶのでノスリと名付けられた。

暫くすると、大きな翼を広げ飛び立ちどこかに消えて行きましたが、私たちの頭上に舞いもどり、旋回しながら美しい姿を見せてくれました。

そこに、タゲリとカラスが通過し、カラスとノスリの争いの様子も見られました。

ノスリはそこから抜け出て上昇気流にのって悠然と舞うように飛翔しながら高く飛んでいきました。

白い体、扇状の尾、白い大きな翼は光を通し輝いて見えました。

正月早々、大型の野鳥、ノスリを間近で堪能できたことはとてもラッキーでした。

次は田んぼの野鳥観察に向かいました。

しかし、レンコン採取の機械の音で残念ながら鳥の姿は見当たりませんでした。

方向転換して六兵衛坂を登って里山に向かいました。

途中、コナラの木の下でじっと目を凝らしていると、枝から枝へと忙しく飛ぶ小さな鳥はメジロです。

今度は耳を澄まして鳥の鳴き声を聴こうと目を閉じて待ちました、「ピィィー」と、ヒヨドリの鳴き声です。

坂道を上がると雑木林の中で「ジジジー」と鳴くコゲラの姿もありました。大池の手前でスズメくらいのヤマガラも見つけました。


そしていよいよ大池です。

この季節、大池の見どころは何と言ってもカモの大群です。

シベリア地方から越冬の為に毎年、約10種、約1000羽ものカモたちでにぎわっているのですが、どうしたことか今年はその姿が見られません。

大池にとって初めての大きな異変です。これからカモたちが来ることを願って観察を続けました。

静まり返った池の奥には白いサギが2羽、岸辺でエサを探していました。

目の下のアイライン(口角)が目より長いのがダイサギ、嘴は黄色く、足は黒が特徴です。

コサギやチュウサギとの違いも教えて頂きました。

大池の土手には会が保存の様々な野鳥の剥製を展示しました。

ついさっき大空を舞っていたノスリの剥製もあります。手に取って羽の色や感触、嘴、足の形、眼などを観察してネズミやモグラを食べる鋭い爪や尖った嘴の特徴を確認しました。

丸い体形のフクロウも並んでいてお腹の羽はノスリが白いこと、その違いが良く分かりました。次は小川沿いを歩き、コゲラの巣穴(直径5㎝程)を観察、梅の木の蕾も膨らみ始めた梅林では「モズのはやにえ」を探しました。

一つ見本を示すと子どもたちは鋭い目であそこにもここにもと予想外にたくさん発見しました。よく見るとバッタ類が小枝で乾燥状態です。

モズはエサの少ない冬場に備え里山の生き物を木に刺して備蓄しておりすごい能力です。

最後に先生から、一歩外に出ると、色々な野鳥がいて、それぞれの鳥たちに特徴があり、行動や生活が多様であることに気付かされる。今日のようなノスリの姿を見ることはとてもまれとのお話がありました。

最後は子どもたちからの質問です。

「大池に鳥がいない原因は?」「一番大きな鳥は?」「一番小さな鳥は?」等、質問に丁寧に答えて頂きました。


青く澄み切った大空、葉をすっかり落とした雑木林、枝先では木の芽や花の芽が早くも春の準備、そのような移ろいの中で目を凝らし、耳を澄ませての楽しい時間を有難うございました。 


文・写真:Tanoue

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