2023年7月17日月曜日

2023.07.17 夜の観察会

 晴れ 参加者 子ども16名、大人13名(このほか、スタッフが10名)

 注意事項、見どころの説明、集合写真を撮って、順次、出発。

 今年も、サンダル履きの子どもなどがいなくて良かったです。夜の里山、危険もあります。

 さて、最初は、セミの羽化。この時期の夕暮れは、例年、ニイニイゼミが大量に羽化をします。今年は、例年以上、まだ、日が沈まない行きから、羽化が始まっていました。ミンミンゼミやアブラゼミ、ヒグラシも見かけました。

  
(写真は、Kuroさん提供)

 セミの幼虫は、土の中で、2~5年ほど暮らして、夏に羽化すると、数週間から1ヶ月で、卵を産んで、一生を終えます。羽化の時が一番危険なので、夕暮れから夜に羽化するのですが、それでも、ヤブキリやムカデなどの捕食者に掴まることもあります。

 夕暮れの空に、コウモリが飛ぶのを期待したのですが、残念ながら、見ることはできませんでした。

 次は、樹液や糖蜜のトラップです。今年は、虫たちをあまり見かけませんでしたが、コクワガタやカブトムシを見かけたほか、シタバガの仲間も見つけました。

    
(シロシタバは、kuroさん、ジョナスキシタバは、Saさん撮影です。)

 どうやら、カブトムシ、ノコギリクワガタなどは、今年は、コナラやクヌギの木の高いところにいたようで、子どもたちが、目ざとく見つけてくれました。
 気温など天候、あるいは、カシノナガキクイムシによるコナラやクヌギの侵食の影響でしょうか。

※ カシノナガキクイムシへの対応については、HPのカシナガバスターズのページを見て下さい。

 カシナガバスターズの活動の概要

 カシナガバスターズの活動の記録

 シタバガの仲間は、翅を開いて、後翅(下の翅)を見せてくれないので、ちょっと、シロシタバに飛んでもらいました(ゴメン)。

  
(参考:過去に撮影したシロシタバ、ムクゲコノハ)

 暗く、細い里山の路を歩きながら、ライトに浮かぶ、ウスバカゲロウ、葉のうえで、白く眼が光るイオウイロハシリグモ、橙色に眼が光るガの仲間などを見ていきます。
 木の幹に、トビズムカデやナナフシモドキも見つけました。ナナフシモドキは、ほとんど♀だけで、単性生殖だそうで、全国でも♂は数例のようです。茨城では、2008年の茨城県自然博物館の報告によると、2007年に小美玉市で♂を見つけた記録がありますが、見つけたら大ニュースですね。
  
(トビズムカデは、Kuroさん撮影)

 次は、いよいよ、ライトを消して、真っ暗の中、陸生ボタルの幼虫が光るのを見つけます。ヘイケボタルやゲンジボタルのように水生ホタル(幼虫を基準)が知られていますが、実は、ほとんどが陸生ホタルで、その幼虫は、陸生のキセルガイなどを食べています。陸生ボタルのほとんどが昼行性で、成虫はほとんど光らないのですが、幼虫は、夜行性で、光ります(少し長く)。
 目が暗闇に慣れるまで待って、細い路を進んでいくと、確かに、光っているのが見えました。事前に草を刈っていた山側ではなく、低くなっている方向の方が良く見えたのは、乾燥しすぎると、餌の陸生貝が移動してしまうのでしょうか。草がやや茂っていた方がよさそうです。来年の課題ですね。
  
(参考:陸生ボタルの一種、クロマドボタルの幼虫と成虫)

 さて、ライトをつけて、大池沿いでは、ウシガエルの目が光っていました。ニホンヤモリも見つけましたが、写真は、募集中。

 鎌倉街道沿いでは、夜咲く花を見ました。カラスウリの花が咲いていたほか、メマツヨイグサも黄色の花をつけていました。キタキチョウなど、草に止まって、寝ているチョウも見かけました。

(きたきつねさん撮影)

 次は、ライトトラップです。Saさんが準備をしてくれた、ライトトラップには、様々な虫たちが集まっていました。

(Saさん撮影)

 シロスジカミキリ、キマダラカミキリなどカミキリ類。初見だったアカアシオオアオカミキリ。

   
(上2枚は、Saさん撮影)

 ボクトウガとムクゲコノハ。ボクトウガは、その幼虫が、コナラなどの幹に穴をあけ、樹液がでるようにして、その樹液に集まる虫たちを捕食するという珍しい生態を持っています。幼虫はお馴染みですが、成虫は、初めて見ました。ムクゲコノハは、上で紹介していますが、きれいなガです。
  
(ボクトウガはSaさん撮影)
 灯火に集まったカブトムシは、脚が痛んでいるようでした。ゾウムシの仲間のウスモンツツヒゲナガゾウムシは、灯火ではお馴染みですが、普段は、どこにいるのでしょうね。
  
(ウスモンツツヒゲナガゾウムシはKuroさん撮影)

 最後に、セミに羽化の様子を再度確認して、夏の夜の夢のような探検は終了です。
By yamasanae


覚えている範囲で、当日の観察リスト
昆虫の仲間
【イシノミ目】イシノミの類、【バッタ目】ヤブキリ、ショウリョウバッタ、マダラカマドウマ、【ナナフシ目】ナナフシモドキ、【ゴキブリ目】クロゴキブリ、モリチャバネゴキブリ、【カメムシ目】ニイニイゼミ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシ、アオバハゴロモ、ハゴロモ類幼虫、アヤヘリハネナガウンカ、【アミメカゲロウ目】ヒメカゲロウの類、ウスバカゲロウの類、【コウチュウ目】カブトムシ、コクワガタ、ノコギリクワガタ、ウスバカミキリ、ミヤマカミキリ、シロスジカミキリ、アカアシオオアオカミキリ、キマダラカミキリ、カナブン、アオドウガネほかスジコガネ類.、ビロウドコガネ、コフキコガネの類、シロテンハナムグリ、ヨツボシケシキスイ、オオキスイsp.、コメツキムシの類.、キマワリほかゴミムシダマシ類.、ゴミムシの類、ウスモンツツヒゲナガゾウムシ、陸生ボタル類幼虫、トウキョウヒメハンミョウ、【ハエ目】ハチモドキハナアブ、【チョウ目チョウ類】ルリシジミ、ウラギンシジミ、キタキチョウ、ツマグロヒョウモン、アカボシゴマダラ、【チョウ目ガ類】シロシタバ、コシロシタバ、ジョナスキシタバ、キシタバ、マメキシタバ、ムクゲコノハ、カラスヨトウ、ボクトウガ、
その他の動物
【貝類】ヤマナメクジ、トウキョウコオオベソマイマイ、コハクオナジマイマイ、【クモ類】イオウイロハシリグモ、【ザトウムシ類】ザトウムシsp.【ムカデ類】トビズムカデ、【両生類】ウシガエル、【爬虫類】ニホンヤモリ、
植物
カラスウリ、ユウガギク、メマツヨイグサ、




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