2023年11月25日土曜日

2023.11.25 土曜観察会

晴れ 参加者9名

 温度が下がって、空気が澄んだせいか、筑波山がくっきり見えました。紅葉も一段と進んだようです。


 里山までの道際の小さなエノキの葉についていたアカボシゴマダラの幼虫が、幹の下の方に移動していて、冬越しモードでした(Sa-kさんの写真)。見事に季節に反応していると、感心しました。


 果樹園の梅の枝には、今季初のモズの早贄(はやにえ)。コバネイナゴのようです。


 ゲンベーヤマでは、これも、今季初となるクロスジフユエダシャク。フユエダシャクなのですが、昼間行動をするこのガをみると、冬の到来を感じますね。
  

 寒さのせいか、鳥の出はいまいち。大池のカモも、オカヨシガモ、マガモ、コガモの3種だけでしたが、途中で、大きな混群に出会いました。

 コナラで、センチコガネとクヌギカメムシsp.を見つけました。センチコガネとオオセンチコガネは良く似ているのですが、頭(頭楯)が丸い形であることからセンチコガネだったようです。
 クヌギカメムシには、良く似たヘラクヌギカメムシとサジクヌギカメムシがいるので、気門や生殖器を確認しようとしたのですが、確認できず。Sa-kさんの写真をみると、産卵中の♀だったようで、お尻の先に卵塊が見えていました。
  

 里山の出口付近のビワの花には、ハナアブなどが集まっていましたが、珍しい褐色型のハラビロカマキリがいました。ハナアブなどを捕食しようとしてのではなく、おそらく、産卵のために登っていたのでしょうね。
By yamasanae


【野鳥】オカヨシガモ、マガモ、コガモ、キジバト、アオサギ、ダイサギ、トビ、コゲラ、モズ、カケス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、エナガ、メジロ、ムクドリ、ジョウビタキ、スズメ、セグロセキレイ、カワラヒワ、シメ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ 24種


【その他】ヨコヅナサシガメ(幼虫)、クヌギカメムシsp.(♀、産卵中)、センチコガネ、ハラビロカマキリ(褐色型、卵鞘)、コカマキリ(卵鞘)、オオカマキリ(卵鞘)、オオハナアブ、オオアオイトトンボ、アキアカネ

   

Sa-kさんデータ

【チョウ目】キタキチョウ、ヤマトシジミ、キタテハ、ルリタテハ、アカボシゴマダラ(越冬幼虫)、クロスジフユエダシャク



2023年11月18日土曜日

2023.11.18 土曜観察会

 晴れ  参加者14名


 日本野鳥の会茨城県との共催の探鳥会を兼ねた土曜観察会でした。狩猟期間が始まったので、先週まで居なかったカモ達が池に入っていました。宍塚エリアは特定猟具使用禁止区域(銃)なので、これから、さらに種類も数も増えることでしょう。


田んぼ塾の水田で足踏み脱穀機で脱穀作業していました。


 カシラダカ、アオジ、ツグミ、シロハラなどの冬鳥も増えていました。内陸に進出していて数を増やしているイソヒヨドリのメスが見られました。


観察路の縁に大きなスッポンタケが出ていて悪臭を放っていました。これほど大きなスッポンタケは初めて見ました。


 アズマネザサの葉の間にコチャバネセセリの幼虫が隠れていました。

【観察した野鳥】
オカヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ、コガモ、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コゲラ、アカゲラ、モズ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、コガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、ムクドリ、シロハラ、ツグミ、ジョウビタキ、イソヒヨドリ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、カワラヒワ、シメ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ 34種+コジュケイ、ガビチョウ


2023年11月12日日曜日

2023.11.12 月例観察会「土壌動物」

月例観察会「土壌動物」 2023.11.12(日)曇り小雨

子ども16名 大人23名   

講師:筑波大学大学院 本間伸太朗さん


「土の中を探してみよう。誰かいるかな?落ち葉をめくったり、地面を掘ったりして、生き物がいるかさがしてみよう。」

子どもチラシのこのような呼びかけに今回も沢山の方の応募がありました。

今回の講師は昨年度より本会の「里山体験プログラム」に参加の大学院生、本間伸太朗さんです。

将来は高校の生物の教師になりたいと勉強に励み、今秋その夢をかなえた自然好き、生き物好き、子ども好きの学生さんです。

専門は土壌動物でその面白さを伝えたいと自ら進んで月例観察会を担当してくれました。


今回の自然体験の柱は3つ「扉を開いて出会う」「探す」「深める」です。開会で自然の中で留意することを伝えた後、六兵衛坂のコナラの木の下へと移動です。

木の根元には大きな切株がいくつか転がっています。

「よっこらしょ」と、倒して切株の下の土や腐りかかった切り株に何かいるか観察です。

顔を近づけて目を凝らして観察すると、動くもの、じっとしているもの、色のある物、長い形、丸い形、体に足が沢山あるものなど色々な虫がいるではありませんか。

どれも普段目にすることのない小さな虫たちとの出会いの扉が開かれた瞬間です。

落ち葉の山もいつの間にか小さくなり、切株も朽ちていくのはこのような虫たちの働きがあるからと、話してくれました。

皆で観察して発見した生き物は、ダンゴムシ、コメツキムシ、ゲジゲジ、ムカデ、ワラジムシ、ミミズ、赤いアカイボトビムシ、ヤスデの仲間、ゴミムシ、クモ、シロハダヤスデ、白い菌糸と、実に多様です。



次は、実際自分で虫を探すために林に移動です。

沢山の物品を持ってゲンベイヤマへと上がります。ここは下草がきれいに手入れされた林でコウヤボウキが斜面一面に芽吹き、薄ピンクの可憐な花が優しく迎えてくれました。

講師から用具の使い方、虫の探し方や保存について説明の後、いよいよ「虫を探す」体験の始まりです。

積もった落ち葉をめくりながら落ち葉の下の土もシャベルで掘り、金ザルでふるいにかけてバットに落ちた虫を集めます。

林で探した虫たちはモリチャバネゴキブリ、ミミズ、フナムシ、マキバサシガメ、ムカデの仲間、ハネカクシ、白いクモ、アリツカムシなどでした。

落ち葉を生き物たちが食べて小さくなり、やがて土になっていく様子をフリップで説明して、実際に小さくなっていく葉っぱや黒い土の層を観察しました。

林の中にはキノコや白い菌糸などの菌類も葉っぱを分解する大切な役割を担っていること。

クイズでは、1㎝の土ができるのに何年かかる?1年か、10年か、100年か?

小さな虫たちの小さな働きが積もり積もって緑豊かな大地ができること、100年もかかって1㎝の土ができることなど驚きです。

また、自然界に生息しているダニのうち、危害を加えるダニはたった1%(主にマダニ類)とのことです。


最後に皆で探した虫たちを顕微鏡で観察して共有です。

頭や顔、手や足の形や数、体の形、土の中の虫たちの多様な形に驚きながら観察しました。

講師が事前に採取した珍しい土の中の虫、ササラダニの仲間やツチトビムシ、ヒメミミズを紹介してくれました。


今日の観察会は筑波大学の同級生や後輩、プログラム生、人間系のインターン学生、その他沢山の協力があり貴重な体験ができたこと、本間さんは達成感に包まれ感謝されました。

これから教師として大きく羽ばたかれることでしょう。



(さらに詳細は、会報にて)

文・写真:Tanoue

2023年11月11日土曜日

2023.11.11 土曜観察会

曇り 参加者6名

 道沿いのお宅の、柊(ヒイラギ)の白い花、枇杷(ビワ)のこれも白い花見たり、塀についているヒタチマイマイを見つけたりしながら里山へ。

 
 鳥たちは少な目。大池では、バンの姿はあったものの、マガモの声が聞こえただけで、カモたちの姿は見えず、どうしたのでしょう。

 今日も、木の実などを中心に見てまわりました。まず、スギを見ていると、まず球果が目についきますが、当年枝には、スギの雄花もうついています。花粉が飛ぶのは2月以降なのに、準備が早いですね。そばにツマグロヒョウモンが休んでいました。去年の枝に、さらに、去年の雄花が黒くみえていました。
  

 カラタチバナ(百両)の赤い実、シロミタチバナの白っぽい実は目立ちます。
  

 ヤブコウジ(十両)の赤い実、ムラサキシキブのムラサキの実、
  

 フジカンゾウの、ヌスビトハギに似た実は、しっかり、ひっつき虫でした。花は、コウヤボウキが目立ちました。
  

 虫たちは、ウラナミシジミ、オオアオイトトンボなどが目につきました。
  
By yamasanae


【野鳥】マガモ、キジバト、ダイサギ、オオバン、モズ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、ムクドリ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ホオジロ、アオジ、 18種+コジュケイ
【チョウ】モンシロチョウ、キタキチョウ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミ、キタテハ、ツマグロヒョウモン、アカボシゴマダラ・幼虫 7種
【ガ類】クワゴマダラヒトリ・若齢幼虫(マグワ)、ナシケンモン・幼虫(ベニバナボロギク)
  

【トンボ】オオアオイトトンボ、アキアカネ、【ハエ】ナミルリイロハラナガハナアブ?、【その他】オオカマキリ・卵鞘、クビキリギス
  

【貝類】ヒタチマイマイ、ウスカワマイマイ・稚貝
【植物】スギ、オニドコロ・実、ヤマノイモ・実、キチジョウソウ、フジカンゾウ・実、シラカシ・団栗、イヌタデ、カラタチバナ・実、シロミタチバナ・実、ヤブコウジ・実、マルバルコウ、アレチハナガサ、コムラサキ・実、シロミノコムラサキ・実、ムラサキシキブ実、コセンダングサ、コウヤボウキ 17種



2023年11月4日土曜日

2023.11.04 土曜観察会

 晴れ 参加者8名

 暑い位でしたが、いい天気。見るものが多くて、予定時間をオーバーしてしまいました。

 目玉は、宍塚で2回目の記録となるホソミイトトンボ。越冬型の♂でした。いるものですね。


 里山に入ったところで、ヌルデに奇妙なものがついていました。

 ヌルデノミミフシという虫瘤で、中を割ってみると、寄生者のヌルデシロアブラムシが一杯でした。

  

 虫瘤から、寄生者のアブラムシが抜けて乾燥すると、黒色の染料の材料となる五倍子と呼ばれるものになるそうです。

 今日は、秋の実りを探してみました。アイウエオ順ですが、アカネ、イイギリ、ウメモドキ。
   

 カキノキは、紅葉も綺麗でした。
  

 ガマは、もうすぐ穂がはじけて種が飛びそうです。
  

 お馴染みのカラスウリの赤い実そばには、ヤマノイモの実もありました。
  

 コナラやシラカシの団栗。
  

 シロダモの赤い実、ムラサキシキブの実も見事です。
  

 花は、シロヨメナ、ユウガギクなど。
  

 チョウ類では、ウラナミシジミ、キタテハ、ヒカゲチョウなど。ガ類では、ホシホウジャク。
    

 冬鳥のツグミは、今季、初見でした。
By yamasanae


【野鳥】キジバト、アオサギ、ダイサギ、クサシギ、アカゲラ、モズ、ハシブトガラス、ヤマガラ、ヒヨドリ、ムクドリ、ツグミ、ジョウビタキ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ 15種
【チョウ類】ダイミョウセセリ・幼虫、チャバネセセリ、モンシロチョウ、キタキチョウ、モンキチョウ、ウラギンシジミ、ムラサキシジミ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミ、テングチョウ、キタテハ、ツマグロヒョウモン、アカボシゴマダラ・幼虫、ヒメジャノメ、クロコノマチョウ、ヒカゲチョウ 17種
【ガ類】ホシホウジャク
【トンボ】オオアオイトトンボ、ホソミイトトンボ、ナツアカネ、アキアカネ 4種
【カマキリ】オオカマキリ、チョウセンカマキリ・卵鞘、ハラビロカマキリ・卵鞘、【カメムシ】ヨコヅナサシガメ、マルカメムシ、ヌルデシロアブラムシ、【コウチュウ】ウリハムシ、クロウリハムシ
【クモ】ジョロウグモ、ネコハグモ、オナガグモ、【貝類】ヒタチマイマイ

Kuroさん追加
【コウチュウ】オサムシsp.、【カメムシ】ハリカメムシ、ホソヘリカメムシ、【ガ類】ゴマフリドクガ・幼虫、イラガ・繭、【バッタ】クビキリギス、オンブバッタ、ツチイナゴ

  

 ちなみに、Wiktionaryによると、雀の小便担桶(すずめのしょうべんたご)については、「成虫となったイラガが飛びだした後に残る繭」だそうなので、この状態では、イラガの繭ということになるようです。