2022年12月4日日曜日

2022.12.4「土壌」月例観察会

2022年12月4日(日)「土壌」観察会。
講師は、小林耕野さん(筑波大学大学院 土壌環境化学研究室 博士課程)と武田あすかさん(同研究室 修士課程)。
参加者は小学生5名、大人6名、幼児2名、スタッフとスタッフのお子さん3名。

「土壌」観察会では、雑木林と竹林との土壌の比較、そして地層が見える場所で観察をしました。

まずはゲンベー山で、隣接する雑木林と竹林とで土を掘って比較観察をしました。
講師の先生に掘り方を教えてもらい、3グループに分かれ各々の場所を掘りました。
深く掘ることに夢中になるグループ、お父さんの力強い掘りに喜ぶグループ、素早く掘って観察に勤しむグループとそれぞれに楽しんでしました。
ある程度の広さと深さが掘れたら先生が来て、触ったり匂いを嗅いだりと観察の仕方や、土の状況を教えてくださいました。

雑木林では、表面には落ち葉が積もり、落ち葉の下の層はつかむとコロコロしています。
深く掘っていくと、固く、ショベルを入れるとブロック状で取れるような土になっていきました。
白い菌糸も、落ち葉層から土壌の上層にかけて見られました。
このコロコロした土は、ミミズや菌類など土壌生物が丸めたり接着したり柔らかくしてくれ、土の粒子がくっつき、団粒構造ができたためです。
団粒構造により、土の塊と塊の間に空隙ができ、そこに空気が入り、植物も根を伸ばし水や空気を得やすくなります。
雑木林の土壌は黒っぽい色をしています。これは、むかし火山から降って来たものと木々から落ちて来た落ち葉などが混ざって出来、落ち葉等の有機物が分解された色が黒っぽいからだそうです。

次いで竹林では、掘ろうとショベルを地面に入れると、「硬い!!!」。
雑木林と一変して、ショベルもなかなか入っていきません。
「さっき(雑木林)と比べて匂いはどう?」「触った感じは?」「虫や菌糸はいるかな?」と先生からの問いに、参加者も五感で探索しました。
竹林の土壌は地表面近くには竹の硬くて細かい根が密に生えていて、土の割合が少なく、他の生物も目につきませんでした。
下の層の土壌はより乾燥していました。
これは、落ち葉の栄養分が、竹の葉では紅葉樹より少ないこと。落ち葉や生き物が少ないため、土壌の団粒構造も出来にくいこと。雨が降っても、団粒構造が少ないために水は地下に直行しやすく、かつ竹は水分をどんどん吸うことからだそうです。


現代の生活では竹が使われにくくなったために、竹林管理もされにくくなり、竹林が増加しています。
先生からは、雑木林がいかに森林や地域環境にとって重要かを、土や水の観点から体験させていただきました。


最後に、ドウマエの三角広場で、表出した地層を観察しました。
子どもたち、斜面を登り降りしたりと木に登ったりと、皆で仲良く楽しんでいました。
文・写真:Ishida

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