曇り 参加者4名(きたきつね、Kuro、Sai、yamasanae)
- 大池のオニバス、蕾が開きそう。
- 蓮田にタシギが10羽ほど入っていた。
- ウラナミシジミをようやく見ることができた。
- ワレモコウなど、秋の花が目立つようになってきた。
- 山からアキアカネ(♂・♀)が降りた来た。
宍塚の自然と歴史の会では、月例テーマ観察会(毎月第1日曜日9:30~12:00)と 土曜観察会(毎週9:00~12:00)を実施しています。 月例観察会は申込み制。土曜観察会は、参加自由です。あなたもお気軽に!
曇り 参加者4名(きたきつね、Kuro、Sai、yamasanae)
講師:農業・食品産業技術総合研究機構 今野浩太郎さん
参加者:子ども(14名)大人(17名) 計 31名
今夏は体験したことのない猛暑が続き、熱中症アラートが連日発表されたり、豪雨が発生したり異例づくめでした。講師の今野先生も猛暑の中、里山の虫はどうなっているのか、何度も下見をされて、しかも昨年とは違った視点での観察会の準備してくださいました。
今日のテーマの一つ目は、幼虫はどこでどのように適応して生きているのかです。夏が過ぎてやや傷んだ梅の木の葉の裏には2㎜ほどの幼虫、ホソヘリオイラガがくっ付いています。しかも、小枝の先には小さな堅いイラガのマユもあり、幼虫がシュウ酸カルシウムを口から吐きながら巣を作ったとの事です。触ると非常に堅かった。
次はヌルデの木の枝や葉を観察しました。5㎜程の白い粉状の物体が枝についています。幼虫はお尻から本物のロウを出しているとの事で、約10年前に日本に侵入し今大発生している中国原産の外来種、チュウゴクアミガサハゴロモの幼虫です。その傍には1㎝程のこげ茶の羽を持った成虫もいます。ヌルデの葉をもっと観察すると、葉っぱを数枚丸めた空洞の部屋があちこちで見つかりました。糞だけ残された空っぽの部屋、別の所では2㎝程のクロスジキンノメイガの幼虫が葉っぱの部屋で野鳥等の外敵から身を守りながら幼虫期をひっそりと暮らしています。
里山では勢いよく畑全面を覆ったカナムグラの葉の中に少し変形した葉を裏返しました。黒いトゲトゲの小さな幼虫はカナムグラを食草にするキタテハです。
次は、カミキリムシの幼虫を捜して栗の林に移動です。農園では栗の大木が枯れてしまったため、幹を細かく裁断して穴ボコだらけの幹がテーブルに沢山置かれていました。カミキリムシがクヌギの幹に卵を産み、その幼虫が幹の中に侵入し栗の木を枯らしてしまったのです。木の皮から侵入した小さな幼虫は、セルロースを溶かす消化液を持っておりセルロースを栄養として利用できます。木の幹全体に開いた大きな穴、小さな幼虫の大きな力に驚くばかりです。近くの切り株を剥いでカミキリムシの幼虫を探した所、やっと黄色の5㎝程の細長い幼虫を見つけ観察しました。葉っぱの中で静に暮らす小さな幼虫から、大きな力を持った幼虫まで昆虫の生態に驚くばかりです。
2つ目は、クルミの木の下に移動して先生が事前に仕掛けたトラップでの昆虫の観察です。肉片を楊枝に刺して机に立ててあり、その肉片をぶんぶんつついていたのはキイロスズメバチです。肉から切り取った肉団子をくわえて、巣のある方向に一直線に飛んでいきました。スズメバチは自分では肉片を食べず幼虫に与え、幼虫が体内で消化して液体になったものを親が口で受け取って飲みます。この現象を「栄養交換」といいます。なぜそんなことをするかというと、親のスズメバチは腰が細くくびれているため肉片のような大きな固形物が体内を通過できず、肉を消化する消化液も持っていないために、幼虫に肉片を与え消化してもらい、消化された栄養を幼虫からの口移しで受け取り生きているのです。
次は、プラスチックのコップに肉片を入れて地面に埋めたトラップです。夜にコップに落ちた生き物を観察するのです。3か所のトラップには夜行性の生き物がコップに入っていました。1つには大きいアオオサムシ、モリチャバネゴキブリ、カメムシの仲間、ニクバエの幼虫、ニクバエは卵を体内で孵化させた幼虫(ウジ虫)を直接餌の上に産み落とす昆虫で、昨日置いたばっかりの肉片の上をもう無数の小さな幼虫がうごめいています。2つ目にはミイデラゴミムシが活発に動きまわっていますが、その体をつついて刺激すると、その瞬間に化学反応させて生み出した高温で過激な液体の刺激物を霧のように噴射、噴射の度に先生も顔を反らせた程です。3つ目のコップにはミイデラゴミムシとキンバエが産んだ卵がコップの壁面に塊状についています。里山の夜の生き物たちの活発な様子がトラップを通してリアルに伝わってきました。
その他、里山で日向を飛び回るシオカラトンボを捕獲して、なぜ日向を好むのか、紫外線から身を守る灰色の粉の不思議や、4枚の羽根の先についている黒い小さな縁紋が高速飛行時の風による羽根の振動をおさえるためトンボは高速で自由自在に飛べることなど、トンボの生態の不思議を沢山教えて頂きました。
猛暑の中で何度も水分を補給しながら飽きることなくとても楽しい観察会でした。先生は子供たちが興味を引く体験やお話を、何度も里山に足を運んでご準備くださいました。心より感謝申し上げます。
By Tanoさん(五斗蒔10月号より)
曇り 参加者6名(Sa-ka、Kuro、はな、Sai、Niwa、yamasanae)
9月6日
講師:Yoshiさん
参加者:子ども10名、大人7名 スタッフ:大人9名、子供2名
まだ夏の暑さが連日続いていますが、何となく秋の雰囲気の欠片が感じられるようになってきました。今夜は満月期で、里山も明るく夜の観察会にはもってこいです。秋の鳴く虫の声を聴き、姿を見つけに出かけましょう。
いたるところでリーリーリーと大きな声で鳴いているのはアオマツムシです。明治時代に東京の赤坂で見つかり、大正時代に新種記載されたユーラシア大陸原産の外来種で、樹上でひっきりなしに鳴いています。オスもメスも全体が鮮やかな緑色で、葉の上で擬態している姿を見つけることが出来ました。その間から聴こえてくるのはチン・チン…というカネタタキの声です。暑いのでチンチンチンと随分速い鐘の音になっていました。
アオマツムシの大声に負けないほど大きな声でたくさん鳴いているのはエンマコオロギです。体が大きく、路上に出ている事も多いので姿も見つけやすいです。丈の高い草の茂みから聴こえてくるのは日本の鳴く虫の王スズムシと女王カンタンの声です。鳴く虫は基本的に雄が前翅に発音器を持つので、鳴いているカンタンは女王と呼ばれても実際は雄です。野外のスズムシの声はリー…ン・リリー…と切れ切れの声で、飼育されている個体のリーン・リーンと同じリズムを繰り返す強い声とは違います。飼育下では多くの雄が密集しているため、強い声になるのです。
砂利道に出てきているコオロギの中に、クマスズムシを見つけました。スズムシとは違って体は小さく、スイカのタネをちょっと大きくしたような色と形をしています。触角にはおしゃれな白いワンポイントがあります。鳴き声はヒィィーンと高い金属音ですがこの場所では聴こえず、後の観察会終了後の池から帰る道で聴くことが出来ました。
路上に出てきているのは鳴く虫ばかりではありません。ゴミムシの仲間やムカデの仲間、若い小さなウシガエルが見られました。特にウシガエルは数が多く、もしかしたら数日前の雨で池から流されてきたのかもしれません。
里山の草地でしばし採集をしました。藁の山にはエンマコオロギとツヅレサセコオロギがたくさんいました。イネ科の草地にはまだ鳴くことはないクビキリギスの幼虫や、鳴く虫ではないけれども直翅目の仲間のコバネイナゴやツチイナゴの幼虫がいました。今年はツチイナゴの幼虫が多いのでしょうか、たくさん見られました。ツチイナゴの幼虫は複眼の下に涙のような線があるのが特徴です。クビキリギスとツチイナゴはこれから成虫になり、冬を越して来春に繁殖します。
捕まえた昆虫のお話をした後、池に向かって虫の声を聴きながら進みます。果樹園にはハヤシノウマオイがいました。この他、ササキリの仲間やツユムシの仲間を見つけられることを期待していたのですが、残念ながらわずかにセスジツユムシの声を聴くことが出来たくらいで、姿を見ることまでは叶いませんでした。散策路の傍らの落葉の下ではオカメコオロギの仲間とツヅレサセコオロギが鳴いている姿を見ることが出来ました。どちらも里山でよく見られるコオロギです。
最後のまとめの時に、Abさんから「昔の宍塚の子ども達の間で、そこらにたくさんいるクワガタやカブトムシよりもマツムシやクツワムシなどの珍しい鳴く虫を飼って自慢するブームがあった」というお話がありました。その当時からマツムシやクツワムシはこの宍塚にはいない鳴く虫だったのでしょうか。非常に興味深い点です。
最近は文化が廃れて自然との関係が弱くなっている事を垣間見る機会が多くなっています。古文や童謡、飼育や栽培などの文化と自然観察がつながるような解説もすすめていきたいですね。
By Yoshiさん(五斗蒔10月号から)