2025年4月29日火曜日

2025.4.13 月例観察会「春の草花」

月例観察会「春の草花」 2025.4.13(日)曇り雨 

参加者:子ども8名 大人18名

講師:小幡和男さん(茨城県環境科学センター)


見事だった桜の花から新緑の芽生えの季節、急激な寒波襲来で冬支度、しかも昼前には雨との予報の中、観察会を決行いたしました。

里山の春は咲き始めた草花でいっぱいです。
今日の観察会の課題は、雌雄異株の草や木、似た者同士の花や実の違い、とても変わった個性を持つ草花の観察です。
課題の草花の一覧表と、ルーペをご用意頂きミクロの世界を目で見て、舌で味わって、鼻で嗅いで、手で触って植物の不思議を沢山学びました。



スイバはなぜスイバというのか、味わってみると酸っぱい味が、小さい頃、学校帰りの道端で茎を折ってはよく口にした懐かしい味。
雄の株と雌の株の穂先にある花の違いをルーペで観察、線香花火のような赤い雌の花、受粉をすると実の周りにヘラができるが今はまだ見られない。
雌雄異株では樹木のアオキも今の季節里山で雄の花、雌の花を別々に咲かせている。

足元ではキュウリグサ、なぜキュウリという名前なのか葉をもんで嗅いでみたが草の香り、花をルーペで観察すると、可愛らしい5片の水色の花びらは芸術の世界、茎の先端はサソリの尻尾のように渦巻き「さそり状花序」という。
細長い緑のノビルを土から抜き取り、皮をむいて真っ白く丸い根っこをかんでみると、カリカリ爽やかなネギ味が口の中に広がった。

口や鼻での観察から、今度は似た者同士の違いです。
カラスノエンドウとスズメノエンドウ、ミチタネツケバナとタネツケバナ、タガラシとケキツネノボタン、ツクシとスギナの関係、里山にしか見られないコオニタビラコとヤブタビラコ、そしてオニタビラコ、ヒメオドリコソウとオドリコソウ、それぞれ標本を比較しながら、葉の形、花の形、実の付き方など、実際に手に取って教えて頂き、更には拡大写真を用意して頂き、その違いに気付かされました。


その他とても個性的な草花の観察もありました。茎から毒性の黄色い汁を出すクサノオウ、そのままでもお浸しにしてもおいしいヤブカンゾウ、山手の樹木の下ではウラシマソウが群生して長い紐をつけツボのような長く地味な袋、ツボ状の袋の中は雄の花で栄養状態がいいものは雌に性転換する珍しい植物。

その周辺ではジャノヒゲとヤブランも密生している。
根っこを掘って比べると、どちらもひげ状の根に丸いふくらみ(コブ)を持っている。麦門冬(ばくもんどう)の名で薬草として風邪や結核の薬として活用されている。
ヤブランの方が膨らみ丸く大きく大葉麦門冬という。

その他、茎や葉に小さな棘を付けているヤエムグラ、畔に咲くマメ科のレンゲやアブラナ、小川の中に密生するセキショウの長い葉っぱ、その中から薄黄色の長い地味な花がびっしり、小川沿いの薄紫のタチツボスミレを歩きながら植物を堪能しました。


最後に花の盛りを過ぎたヤマザクラとソメイヨシノのガクのギザギザと毛の有無をルーペで見比べました。大池を出た所の三角広場の桜についてはガクや葉の鋸歯からオオシマザクラと教えて頂きました。

今日里山で見た草花は他にもあります。

ホトケノザ、ハナダイコン(ショカツサイ)、ムスカリ、今日は途中小雨に降られましたが、次々と珍しい草花の紹介、詳しくわかりやすい解説に時も忘れて楽しい観察会でした。

入念な下見や分かりやすい資料をご準備頂き、里山の草花に一層親しみがわいてきました。本当に楽しい時間をありがとうございました。


文・写真:Tanoue



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