2025年1月12日日曜日

2025.1.12 月例観察会「冬の野鳥」

月例観察会「冬の野鳥」  2025.1.12(日)

参加者:子ども9名 大人24名      

講師:筑波大学院 生物資源科学学位プログラム1年 並木大斗さん 舩橋美月さん


大勢の子どもや大人を対象に野鳥観察会の講師を務めるのは初めての体験でした。

まず初めに参加者に双眼鏡の使い方をレクチャーしました。

そのタイミングでちょうど良い距離にノスリやタシギ、ハヤブサが現れ、絶好の練習機会となりました。

「猛禽がいたぞ!」という声が上がるたび、「どこだどこだ」と参加者全員が興奮し、観察会の序盤から熱気に包まれました。

特に猛禽類が登場した瞬間は、私を含め多くの参加者が一気にテンションを上げる場面となりました。


次に、「ものさし鳥」をテーマに、スズメ、ヒヨドリ、シジュウカラ、カラスといった基準となる鳥の特徴を解説しました。

これらの鳥を観察することで、野鳥種の識別がよりスムーズにできるよう、体形、鳴き声、飛び方のポイントを共有しました。


その後はカモ類の観察を行いました。

カルガモ、マガモ、ホシハジロを中心に、なんと500羽以上のカモを観察することができました。

参加者からは「ふっくらとしたカモたちに癒された」という声が聞かれ、穏やかな時間が流れました。


さらに、剥製を使った解説を行い、ノスリ、フクロウ、カワセミ、シメ、オオバン、ハシビロガモの形態(嘴・趾・翼)の違いとその役割について説明しました。

例えば、カワセミの嘴の形状が新幹線のデザインに活用されている事例を紹介しながら、生態系から学ぶ「生物模倣」の価値についてお話しました。

これを通じて、自然保全の意義や生態系サービスの重要性についても考える機会となりました。




観察会では、モズの「早贄(はやにえ)」も注目ポイントの一つでした。

カエルやツチイナゴ、ミミズなど、さまざまな生き物が早贄として木々に吊るされている様子を観察しました。

これにより、宍塚の里山が多様なモズの餌を支える豊かな生態系を有していることを実感しました。

また、少人数での観察では見つけられなかった早贄も、大人数で探すことで次々と発見され、協力の力を実感する場面もありました。


今回の観察会には30人以上の参加者が集まりました。

これほどの大人数を対象に講師を務めるのは初めてで、「ちゃんと鳥を観察できるだろうか」「楽しんでいただけるだろうか」と不安もありました。

しかし、最終的には30種類以上の野鳥を観察し、多くの方から「楽しかった」「また参加したい」といった嬉しい感想をいただけました。

結果として、参加者の皆さんに満足していただける会となり、私自身にとっても大変貴重な経験となりました。

この観察会を通じて、自然と触れ合う喜びや大人数で共有する楽しさ、そして伝えることの難しさとやりがいを改めて学ぶことができました。

今後の活動にこの経験をしっかり活かしていきたいと思います。





【観察できた野鳥】

タシギ、スズメ、ムクドリ、キジバト、ダイサギ、ハヤブサ、クイナ、シメ、ヒヨドリ、ハシブトガラス、ハシボソガラス、アオジ、コゲラ、メジロ、マガモ、シジュウカラ、ヒドリガモ、ホシハジロ、オナガガモ、コガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、メジロガモ×ホシハジロの雑種?カルガモ、オカヨシガモ、オオバン、カケス、アカハラ、シロハラ、エナガ、ノスリ、アオサギ、トビ、全部で33種類でした。


文:里山体験プログラム生 舩橋美月
写真:Tanoue


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