2024年7月29日月曜日

2024.07.15 夜の観察会「夜の夏の虫」

  7月15日(祝月) 夜の観察会「夜の夏の虫」   曇り

参加者:子ども19名 大人26名

講師:会員 佐藤和明さん 片山秀策さん 黒沢順一さん 


年に一度の夜の観察会、日が落ちて辺りが暗くなりかけた18時半、2班に分かれてライトを片手に上高津貝塚駐車場を出発しました。

先ず貝塚公園の樹木で昆虫の観察です。

羽化の為に幹を登るニイニイゼミ、背中の割れた羽化殻、脱皮したばかりの黄緑のショウリョウバッタ、その足元には白い脱皮殻、小さなカタツムリのベッコウマイマイ、見たことのない生き物たちの出現に心を奪われました。

その他観察したのは、ヤスデ、ニイニイゼミ、アブラゼミ、ジョロウグモ、ナメクジ、アオバハゴロモ、カラスヨトウ、ウスバカミキリ、ハサミムシ、クサカゲロウ等です。


日がすっかり落ち、次は暗闇の世界へと進みます。

大きな樹木や草木が不気味に覆いかぶさるようで恐怖さえ感じます。

スリル満点の暗闇を歩きながら光を当てるとオレンジの目をしたカゲロウの仲間が藪の中でフワフワとダンスをしています。

クヌギの大木ではクワガタやカブトムシが樹液を吸っています。

オニグモが白い糸を出して盛んに巣作りに励んでおり、足元ではカラスウリの花も真暗闇の中で真っ白い花を咲かせ美しいレースを広げて蛾を引き寄せています。多様な生き物が光の無い世界で活動していることに驚かされました。

林の中では他に確認したのは、オオカマキリ、ベッコウマイマイ、モリチャバネゴキブリ、ヨツボシケスキスイ、マメコガネ、ザトウムシ、オニグモ、アオバハゴロモ、キマワリ、ヤマナメクジ、クロゴキブリ、コメツキムシ、ヤスデ、ムカデ等でした。

暗闇の林を出て、次は大池に向かう下りの山道に入ります。陸生ホタルの幼虫を観察するためライトは全て消します。

両脇の草むらの中で光るオバボタル幼虫のかすかな光を鑑賞しながら歩きます。直ぐに消えてしまうほのかな光を見つけて「あそこにも」「ここにも」と、歓声をあげながら一歩一歩きました。

オバボタルは、今年は少ない方ですがそれでも十分楽しむことができました。


 

最後のコースは、鎌倉街道沿いに設置のライトトラップの観察です。

カシノナガキクイムシ対策でラップに巻かれたコナラの並木の向こうに、準備したライトトラップが煌々と明りを放っています。

仕掛けは白いシーツを広げ普通の蛍光灯と波長の短い紫外線に近いブラックライトを当てるのだそうです。明るいライトに様々な虫が集まってブンブン力強く飛び回っています。

ライトトラップに集まっていたのは、アカアシオオアオカミキリ、アシブトチズモンアオシャク、コフキコガネ、モンスズメバチ、コガタコガネグモ、ドウガネブイブイ、キマダラカミキリ、アオトウガネ、サビキコリ、コメツキムシ、ウスバカミキリ、シロスジアオヨトウ等でした。

今年はトラップに集まった昆虫は昨年より少ないとの事で、その原因は良く分からないとの事でした。

昆虫観察を堪能して2時間は経っていたでしょうか、

上高津公園に戻った時は、ニイニィゼミやアブラゼミが羽化の真只中でした。

羽化の始まりのニイニイゼミの真っ白い体、のけぞった姿、アブラゼミの羽化は白い体が美しいブルーに輝き息をのんでじっと観察が続きました。


夜の観察会実施に当たって、山道の安全のための草刈り、ライトトラップの設置等、沢山ご準備頂き、お陰様で子供も大人も普段見る事の出来ない夏の夜の虫たちを十分堪能させて頂きました。

講師の皆様に心より御礼申し上げます。 


文・写真:Tanoue


2024.07.14 月例観察会「キノコ」

 7月14日(日) 月例観察会「キノコ」  曇り

参加者:子ども17名 大人21名

講師:国立科学博物館 保坂健太郎さん

猛暑続きで梅雨らしい季節感のない今年、今朝の里山は雨で輝く緑の草原に白いヤマユリが咲き始めています。

今日はどんなキノコに出会えるのか、ワクワクしながら集まった子どもたちです。

宍塚の里山にナラ枯れが入ってきたのは2020年、ナラ枯れの跡には真っ赤なカエンタケが大発生することが多いのだそうです。

「今日はカエンタケを見つけてみよう。」と、先生からの課題が出されました。カエンタケは猛毒だが触った後はしっかり手を洗えば大丈夫との事です。











六兵衛坂を上がる途中で初めて見つけたのは、大きなコナラの切株に肉厚の茶色の大きなコフキサルノコシカケです。

肉厚のサルノコシカケが何層にもくっ付いて老木から養分を吸収しながら逞しく成長しています。

コフキサルノコシカケの胞子を作る面は、こすると茶色に変色する性質を生かして、文字や絵を描いて美術品にも使われているとの事です。

坂を登ると整備された林に着きました。

これから落ち葉の上や朽木等からキノコ探しをします。各自が用意した手提げの紙袋を持って約30分間一生懸命探しました。

大小さまざまなキノコや朽ち木にキノコが付いたものまで大きなシートに沢山集まりました。

約40人で集めたキノコは先生の目でざっと30種以上です。

今年の夏は梅雨の間も雨が降り続くことがあまりなく、猛暑が続いたことが影響してか、本来はキノコが一番多い季節なのに大型のキノコがあまり生えていないとの事です。

そして、集まったキノコの解説が行われました。キノコの観察は、先ず形からとの事です。キノコはカサの裏から胞子が出て、周囲に飛散し、木や葉や土に付着しのち菌糸を伸ばし、子実体(実)、すなわちきのこができる。

キノコは胞子で増えるが胞子を出すカサの下の構造の違いについて解説がありました。

キノコをよく見るとどれも形が異なり、カサの裏がヒダ状(テングタケ類、ベニタケ類、カレバタケ等)、スポンジ状(イグチの仲間、サルノコシカケの仲間)、イボイボ状(ボタンイボタケ)になっているもの、球状で上に穴のあるもの(ツチグリの仲間)、ヒダもイボも穴もないホウキの形状をしたフサヒメホウキタケ、プヨプヨ感のシロキクラゲです。

形は違っていてもどれも胞子を出して増える仲間です。

実に個性的なキノコの形に驚かされました。

また、ツボを持つ猛毒のテングタケの仲間もあります。

形からの観察だけでなく、匂を嗅いだり(イボタケ)、ワサビカレバタキのカサをちぎってかんで辛味を確認したりの体験もしました。

五感を使ってキノコの観察の方法を教えて頂きました。今日の課題は真っ赤なカエンタケでしたが、残念ながら見つけることはできませんでした。


二か所目は大池に面したゲンベイ山です。

山の登り口、斜面の落ち葉の中に大きな真っ白いテングタケ(シロオニタケ)が佇んでいます。茎の下にはツボ、茎の上部にはツバがあり、真っ白い姿は、うっとりする程美しいキノコです。

しかし、食べることはできない猛毒、匂いは油っぽく感じました。

ゲンベイ山でも林の中で約20分キノコ採集をしました。

瞬く間に大型のイグチ(ニガイグチモドキ)が沢山集まりました。

イグチは傘の下がスポンジ状で、その中でもニガイグチの仲間は胞子はピンク~赤味をおびた色合いをしている特徴との事です。

また、ホコリタケの仲間のノウタケもありました。

丸い頭を叩くと茶色のホコリ状の胞子をぼこぼこ出します。

胞子を出しきったノウタケは袋状でとても柔らかい感触です。


今日は里山のキノコ採集、キノコの観察、分類、危険なキノコ等、目と手、そして口等、五感を使って観察することを教えて頂きました。

どんな所にキノコが生えているのか、採集体験をしながら里山の夏のキノコを楽しく学ぶことができました。

大変お忙しい中、観察会のために事前の下見やご準備をしてくださり心より感謝申し上げます。ありがとうございました。 

文・写真:Tanoue


2024年7月13日土曜日

2024.07.13 土曜観察会

 くもり 参加者 7名 

 


大池の水面をチョウトンボがたくさん飛んでいました。ジュンサイハムシが池のヒシを食害して葉が赤くなって水面を覆っていましたが、ジュンサイハムシが復活して水面が緑に覆われていました。葉が枯れたナラ枯れの被害木が緑の中に目立っていました。


鎌倉街道でカシノナガキクイムシの入り込んだ穴が沢山あるコナラが緑の葉を道が見えなくなるほど大量に落としていました。ミソハギやアキノタムラソウなどが咲き始めました


新たに生まれた虫たちは元気に成長していています。ニイニイゼミやアブラゼミの声が賑やかになっています。野鳥は子育て終盤で、なかなか姿を見せてくれません。それでも一瞬サシバが姿を見せてくれました。


【観察した野鳥】キジバト、ゴイサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、トビ、サシバ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、オオヨシキリ、ムクドリ、キビタキ、スズメ、カワラヒワ、ホオジロ 21種+コジュケイ、ドバト、ガビチョウ

2024年7月6日土曜日

2024.07.06 土曜観察会

 晴れ  参加者5名  


暑い日で、各地で熱中症アラートがでていました。里山はニイニイゼミの鳴き声が一気に増えていて、これから蝉の声が賑やかになります。アシ原のオオヨシキリも子育て終盤でオスは適当にしか鳴かなくなってきました。他の鳥たちも巣立ち雛を連れているので静かに目立たないように林の中を移動しています。

林の中でオオタカがカラスを食べた跡がありました。


駐車場近くの空き地にコチドリの親子がいました。


さわやか隊が草刈りの時にウマノスズグサを残してくれているので、ジャコウアゲハの幼虫や蛹が見られています。


池ではチョウトンボが目立ってきました。五斗蒔谷津ではハンゲショウの群落で花が咲いていました。

【観察した野鳥】 

カイツブリ、キジバト、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コチドリ、トビ、コゲラ、ハシブトガラス、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、オオヨシキリ、ムクドリ、キビタキ、スズメ、ハクセキレイ、ホオジロ 20種+コジュケイ、ドバト、ガビチョウ