2025年10月12日日曜日

2025/10/12 10月の月例観察会「魚」

  講師:茨城県環境アドバイザー 増子勝男先生

 参加者:子ども18名 大人15名 スタッフ:大人8名 子ども5名

 猛暑続きの日々が終わり、里山はすっかり秋らしくなってきました。大池の堤防のサクラの枝では、冬鳥のジョウビタキの雄がヒッヒッ・カチカチと鳴いています。

 今日のテーマは「魚」。増子先生から里山での注意事項の解説の後、水網を持って出発です。田んぼの脇の水路に入り、岸に追い込んだり、足で網に追い込んだり、ガサガサ採集をします。掬った泥を水の中で洗うといろいろな生物が出てきました。

 今回は観察会であるという事で、自然農田んぼのビオトープに入らせていただきました。ドジョウ、コマツモムシ、マツモムシ、ヒメゲンゴロウ、ハイイロゲンゴロウ、数種のトンボの幼虫(ヤゴ)などがいました。大きなギンヤンマのヤゴはとても格好良いです。

 池の下の水路はずいぶん水が少なくなっていました。浅い所にヒメタニシとカワニナが沢山いるのが見えます。水の中に生えているヨシの間や、岸際の草木の根元をガサガサと網で掬うと、ウシガエルの幼生(オタマジャクシ)やブルーギル、アメリカザリガニが入りました。さらには体長10cmほどのブラックバスも見つかりました。去年からアメリカザリガニはずっと数が少ない状態が続いています。これらの生物はどれも北米原産の外来種です。

 数は少ないですが、在来種のヨシノボリの仲間も見つかりました。ハゼ科で胸鰭が変化した吸盤を持っており、「ヨシに登る」というところからヨシノボリという名前が付きました。この魚はドブガイなどの二枚貝の幼生の寄主となります。昨年開催された「貝」の観察会の時にも二枚貝は一個体も見つけられず、また今回も見つける事ができませんでした。しかし、下流からヨシノボリが宍塚の里山に遡ってきているのであれば、今後二枚貝が再び見られるようになるかもしれません。

 水網での採集の次は釣りをしました。ミミズを針につけて大池に投げ、魚がかかるのを待ちますが、なかなかアタリがありません。かわりに、今年上陸した小さなウシガエルが食いついてきます。上手くブルーギルやカムルチーを釣った人もいましたが、それよりも小さなウシガエルが多く釣れるという、かつてない驚きの結果となりました。

  

 最後に、先生から外来種についての解説がありました。ウシガエル・ブラックバス・ブルーギルは特定外来生物に指定されており、生きた状態での運搬や移動、飼育は法律で禁止されています。アメリカザリガニは条件付きで、自分が採集したものに限り、終生飼育が認められています。カムルチーも外来種ですが、アジア原産ということもあって在来種への影響はそれほど大きくないと判断されており、今のところ法的規制は付いていません。生き物に関する法律はしっかり覚えておくべきですね。

  

 魚の観察会は毎年増子先生にしていただいているのですが、過去には池の水が無くなって開催できなかった年があったり、ブルーギルが大量に釣れた年があったりしました。今後も池の魚の変化を見続けていっていただければ幸いです。

By yoshiさん(五斗巻11月号から)




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