7 月 21 日 講師:西浦雄仁・小川鷹祐(水戸昆虫研究会)子ども 16 人 大人 15 名 スタッフ:10 人 子ども 3 人
夏の夜の昆虫の観察会は毎回大人気です。クワガタ、カブトムシ、セミの羽化、樹液酒場、ホタルと、夏の昆虫メジャースターズを宍塚の里山で見ることができます。
今年は茨城県の地域昆虫同好会「水戸昆虫研究会」の会長である西浦雄仁さんと会員の小川鷹祐さんが講師で来てくださいました。水戸昆虫研究会は1973 年から 50 年以上続く会です。
夕方 6 時半、上高津貝塚歴史ひろばからスタートです。芝生広場の縁の樹や雑木林でセミの幼虫たちが土から出て樹に登り始めていました。体が泥でコーティングされている小さい幼虫はニイニイゼミ、茶色の大きな幼虫はアブラゼミとミンミンゼミです。
樹液が出ている所にはコクワガタやノコギリクワガタが来ていました。カミキリムシの仲間も多く、コナラやクヌギの幹には大型のミヤマカミキリやウスバカミキリや小型のゴマフカミキリ、細身で素早いアカアシオオアオカミキリやアオスジカミキリなどが見られました。そして残念なことに、世界侵略的外来種ワースト 100に数えられ日本で特定外来に指定されているツヤハダゴマダラカミキリも見つかりました。今後注意が必要です。
カブトムシやクワガタムシを観察しながら鎌倉街道を池の方へ進んでいきます。路傍のロープ柵の上は昆虫が止まりやすく、穴場的な観察ポイントです。今夜はヤブキリやオオカマキリの幼虫、多くのクモ類が見られました。
農園の脇から池に向かう道では陸生ホタルの発光を観察しました。シダの根元や樹の根元など湿ったところで黄緑を帯びた光が見られ、参加者からは意外に強い光だと驚きの声が上がっていました。
夜に活動する昆虫を集める方法にライトトラップというものがあります。強い光源を置き、走光性を持つ昆虫を引き寄せる方法です。今回は池の堤防で行いました。しかし、風があったためあまり成果は良いものではなく、大形の甲虫はカブトムシが 1 頭のみでした。風があると、光に向かって飛んできても流されて到達できないことが多いのです。それでも近くにいたハイイロゲンゴロウやキイロゲンセイなどが引き寄せられてきていました。キイロゲンセイは体液に毒を持つので触る時には注意が必要です。
上高津貝塚まで戻り、セミの羽化を観察しました。行きに見た時と比べて、地上に上がっている幼虫は多くなり、体の半分以上が抜け出ている様子が見られました。羽化の時の白と薄緑のセミは何度見ても綺麗だと感じます。しかし、全ての幼虫が成虫になれるわけではなく、中にはアリに襲われているものや、胸部背面が出たところで止まってしまっているものもいました。セミの羽化不全は近年の高気温が関係しているとも言われており、これらの個体もそうなのかもしれません。
講師の小川さんは小型の UV ライトでヤスデやカラスウリの花を照らして見せてくれました。UV 光を当てると体の一部が強く反射するなど、普通の懐中電灯で照らして見るのとは全く違う世界が見られます。このような観察方法は夜ならではのもので、とても面白いと思いました。
最後の質問の中で「ホタルの光の色が種によって違うのはなぜか?」というものがありました。ホタルの発光はルシフェリンという発光素と ATP と酸素を基質として、ルシフェラーゼという酵素によってルシフェリンが酸化還元する時に起きます。ルシフェラーゼの蛋白質に含まれる DNA の違いから、種によって発光色が異なると考えられています。
By Yoshiさん(五斗蒔から)


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