11月21日 「種と実」観察会
参加者:子ども18名・大人27名
講師:多田多恵子さん
NHK子ども科学電話相談室でご活躍で、著書も多数出されておられる理学博士です。私たちの為に朝早く東京からTXで来てくださいました。
開会式の後、先生の解説が始まり、植物は動物と違って動かないと思われるけれど、実と種にいろいろな工夫をして、親のいた場所から移動することや、また、長い年月たって発芽する種子もあり、時間空間両方で移動するということです。
今まさに、身近な植物が子孫を残すために様々な戦略を持って次の世代に命を繋げる準備をしています。さて、どんな仕掛けがあるのでしょう。
早速、野道を歩いて里山に向かいました。
何気なく通り過ぎる道ばたにはそこかしこに枯れかけた草木、一つ一つ手に取ってみると色や形、何と個性豊かな実なのかと驚かされます。
すっかり枯れて堅くなったオオバコ、実はカプセル状で、種子は雨などの水分が付くとゼリー状になって動物や人間の靴について運ばれます。
アレルギーの原因になるとして嫌われもののセイタカアワダチソウ、この時期は名前の如く泡のような白いわたげの実の塊にフーっと息を吹きかけるとふわふわ遠くに飛んでいきました。
山を赤く彩るハゼの木は茶色の実を房状に沢山付けています。
電気が無かった昔はろうそくを灯して生活をしましたが、その原料がこのハゼの実なのです。
昔はこの実の白っぽい果皮の部分を搾ってロウを採っていました。
種子はとても硬く、実を食べた鳥の糞の中に出されます。
大きなコナラの木の下でどんぐりの実を拾いました。
まだきれいなままのものや尖端から10㎝程もの長い根を出して春に備えるどんぐりもありました。
とても堅い実のジュズダマ、昔はネックレスにしたりお手玉にいれたりして遊んだものです。
そんなこんなで今回道端で観察した草花はざっと45種です。
書ききれない程の草木、その一つ一つ実と種の戦略の楽しいお話と観察が続き、小さな子供たちも飽きることがありませんでした。
様々な実を採取して袋に入れて楽しむ子供たちは笑顔に満ちていました。

最後に採取した実を持って土手に集まり、用意した机4台に「動物が運ぶ実」「風で飛ぶ実」「くっ付いて運ばれる」「その他」と分類して名札を付けました。
子どもたちは採取した実を机に分けて並べていきました。
どの机も種や実の豊かな個性で一杯です。
「動物が運ぶ実」はカラスウリやアオツヅラフジ等、とても彩りが鮮やかで鳥たちが好みそう。
「風で飛ぶ実」はヤマノイモやオニドコロ、ベニバナボロギク、それぞれ形が個性的で風に舞って飛ぶ仕組みです。
「くっ付いて運ばれる実」はチヂミザサやチカラシバ、イノコヅチ等、ネバネバやトゲトゲの持ち主。
「その他」には弾けて実を飛ばすフジ、クズ、ヤブマメ、ゲンノショウコ等、中でもゲンノショウコは神輿草とも言われ、弾けた姿は神輿の屋根と同じ何とも美しいアーチをしています。
楽しいお話に終わりがありませんでした。
詳しく学びたい場合は、「美しき小さな雑草の花図鑑」「身近な草木の実とタネハンドブック」等、先生が出版された図書は草花の魅力が満載ですので手にとってみて欲しいです。
(文・写真:Tanoue)