2014年7月20日日曜日

7月20日(日) 夜の観察会

 天候が不順なので、中止としたのですが、チラシ配布で参加者を募集していて、周知が困難なので、スタッフは現地に集合。やはり、20名ほどの参加者が集まったので、天候により打ち切ることを前提に、一応、一回りすることとしました。

 最初は、セミの羽化の観察です。例年多くのニイニイゼミの羽化が見られます。ちょうど、セミの幼虫たちが木に登りだしたころでしたが、帰りには、多くが羽化を始めていました。セミの幼虫は、ノコノコとかアナゼミ、ノタリなどと呼ばれているようですが、皆さんはどのように呼んでいるでしょう?
 ニイニイゼミの幼虫は、小さくてまるっこく、泥がついているのですぐにわかります。今日は、地面が湿っていたせいか、濡れているようです。それにしても、なぜニイニイゼミの幼虫だけ泥だらけになるのでしょう。直接は、体毛が多いので泥が付きやすいのですが、なぜ、体毛が多いのかは色々な説があるようです。その中のひとつは、木の低いところで羽化するので、目立たないように泥だらけになるのだそうです。さて、皆さんはどのようにお考えでしょう。


 次は、アブラゼミの幼虫です。もちろん、例外はあるのですが、アブラゼミの幼虫は、比較すると、確かに木の高いところまで登るようです。この幼虫は、ミンミンゼミの幼虫と区別が難しいのです。幼虫の段階では、触角をみて判断することになりますが、この幼虫では、触角の3節目が2節目の1.5倍あるので、アブラゼミでよいのですが、虫メガネが必要ですね。(触角は7節からなっていて、根元から1節目、2節目・・・となります。ちなみに、ミンミンゼミでは、3節目と2節目がほぼ同じ長さだそうです。)

 ライトで照らすと、普段はなかなか見つからないものが、見つかります。ウスバカゲロウの類がハタハタしていたり、ガが飛んだり、木の葉の裏のオオミズアオの幼虫(写真:ヤマボウシの木で)やギンシャチホコの幼虫なども見つかりました。
 上高津では、コウモリがたくさん飛んでいるのも見れました。

 次は、クヌギの木にSさん特製の発酵させた液体を吹き付けておいたところや樹液がでているところを観察。
 下の翅(はね)がきれいなシタバガの仲間がたくさんみられました。シロシタバ(写真)、コシロシタバ、オスグロトモエ、キシタバ(写真)、マメキシタバなど。 


 カブトムシやノコギリクワガタ、コクワガタ、ウスバカミキリなども見られました。

 Sさんには、白い布にブラックライト(紫外線を放射するライトで、虫が集まりやすい)を当てるライトトラップも用意してもらったのですが、アオドウガネなどが飛来したほか、やや集まりが悪かったようです。

 次は、ライトを消して、真っ暗な道を歩きます。陸生ホタルであるオバボタルの幼虫やクロマドボタルの幼虫(写真)が光っているのを観察。目が慣れるまでは、どこを歩いているのか分かりませんが、しばらくすると、かすかに光っているのが見えるようになります。陸生ホタルの成虫は、昼に飛び回っているせいか、ほとんど光らないようです。(♀のフェロモンを感じ取れるように、触角が発達しています。) この幼虫は、クロマドボタルの幼虫で、尻尾の方が光るのですが、ライトを当てているので見えません。

 予定していた触角が長いバッタの類は、マダラカマドウマの仲間が観察できたほか、セミの幼虫を狙っているヤブキリなども見れました。

 途中、暗闇に目が光ったような気もしたのですが、タヌキなどの夜行動物は大勢でガヤガヤ行くのでは逃げてしまいますね。

 夜咲く花は、カラスウリの雌花を見ることができました。

 さて、皆さんは何が印象に残ったでしょう。ガの複眼が怪しく光るのも印象的でしたね。

 結局、道悪な一部ルートは変更しましたが、雨には降られずに、一回りできました。
by tsukubasanae


夜の観察会については、以下もご覧ください。

2012年7月の夜の観察会の様子(ニイニイゼミの羽化の様子など)
2013年7月の夜の観察会の様子(ライトトラップに集まった虫など)
2013年9月の夜の観察会の様子(ヤマカガシの幼へびも)

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